【注文方法】これで安心!日本酒を頼み方を実例を踏まえて紹介
公開日:2021.11.05 更新日:2022.12.19
日本酒を味わってみたいけれど、頼み方がわからない日本酒は今や日本でのみ飲まれているお酒ではありません。その繊細で奥深い味わいは国による味覚の違いを超えて、世界中の人に受け入れられています。
緻密な味のバランスと、口内でぐっと膨らみ、鼻に抜けていく香りは飲む人々に大きな感動を与えます。しかし、一口に日本酒といっても様々な種類があります。
日本酒の世界を覗いてみたいと考えていても、敷居が高いと感じてしまう人もいるでしょう。また、居酒屋で美味しい日本酒を注文したいと思っていても、上手な注文の仕方がわからない人もいるでしょう。
今回は日本酒の基礎知識をもとに、お店で日本酒を上手く注文する方法をご紹介いたします。これを読めばあなたも明日から簡単に日本酒を注文することができるようになります。
株式会社MEBUKU
Pokke編集部
1.最も基本となる日本酒の頼み方は「おすすめを聞く」
はじめに日本酒を注文する場合にどのような方法で注文をするとよいのか具体的にみていきましょう。はじめにご紹介するのは、どんなお店でも使うことのできる最も基礎的な注文方法です。
この注文方法においては、日本酒の基礎知識すらも必要ありません。その注文方法とは、店員さんにおすすめを聞くというものです。
そんなの誰でもできると思うかもしれませんが、実はこれから日本酒の知識が増えていき、知っている銘柄がどんどん増えたとしても、当面はこの注文方法が最も基本となります。
なぜならば、日本には1,600超える酒蔵があり、1つ1つの酒蔵が複数の種類の日本酒を作っているのです。つまり、日本酒はおよそ数千種類存在するのです。
この先、どんなに日本酒を学んだとしても知らない日本酒に出会います。そのため、日本酒の注文の基礎は店員さんに聞くというものになります。
日本酒を頼むときに注意したいポイント
おすすめの日本酒を店員さんに聞く場合であっても、いくつか伝えるべきポイントがあります。はじめのうちは以下のものを伝えることができればよいです。
・どんな料理と合わせるか
・甘めのものがよいか、辛口のものがよいか
・どんな温度で飲みたいか
この3点を伝えるだけで、店員さんは日本酒を選びやすくなり、あなたも自分が求めている日本酒を飲むことができるようになります。日本酒は数千種類ありますが、後述するように様々な角度から分類されています。
これから日本酒の世界を知っていこうとする場合は、甘いものと辛いもの、熱燗にして美味しいものと冷酒が美味しいもの程度の違いを伝えることができればよいのです。
こういった大まかな分類を理解していくことが日本酒の基礎を知ることに繋がり、最終的には自分で自由に注文することができるようになります。
2.日本酒の頼み方の実例を見てみよう
以下では、日本酒の注文の実例を見ていきましょう。
食べる料理が決まっておらず、入店し、すぐに注文する場合
店員「お飲み物はお決まりでしょうか?」
自分「甘めのもので何かおすすめの日本酒はありますか?」
店員「秋のひやおろしが入ってきておりまして、〇〇〇と△△△は甘口で飲みやすくおすすめです」
自分「そうですね…その2つの中でさらりとしている方をお願いします」
店員「承知いたしました。〇〇〇の方が飲み口が軽いので、こちらのお酒でよろしいでしょうか?」
自分「お願いします」
最初にビールといくつかのつまみを注文し、途中で日本酒と料理を注文する場合
店員「ご注文は何にいたしましょうか?」
自分「この後、この牛鍋を頂こうと思っていますので、この料理に合う日本酒はありますか?」
店員「牛鍋は味が濃くしっかりしておりますので、米の旨味が強い〇〇〇と△△△などはよく合います」
自分「そうですか…熱燗にして美味しいのはどちらですか?」
店員「△△△熱燗にすることで米の旨味がぐっと膨らみます。牛鍋にも負けない飲み口かと思います」
自分「では、△△△でお願いします」
日本酒の注文は簡単です
このように日本酒を注文する場合は、わからないことを素直に店員さんに尋ねるのがおすすめです。お店にある日本酒を最も知っているのは店員さんです。
甘いもの、さらりとしたもの、熱燗にして美味しいもの等の漠然とした表現で構わないので、まずはおすすめの日本酒を店員さんに聞いてみましょう。
3.自分で日本酒を選ぶためには、日本酒の種類を知ろう
先ほど紹介しましたが、はじめのうちは日本酒は店員さんにおすすめを尋ねる方法で注文するとよいです。しかし、複数の日本酒を経験していくうちに自分で日本酒を注文したいと思うはずです。
そのためには、日本酒の種類を知ることが必要となります。数千種類もある日本酒は様々な角度から分類されています。
以下では日本酒の最も基本的な分類をご紹介いたします。これにより日本酒を9種類に分類することができるようになり、日本酒の注文がぐっと楽になるのです。
日本酒の原料に着目
日本酒はお米から作られていますが、お米のみで作ることができるわけではありません。日本酒は使われている原料から以下の2つに分けることができます。
・純米酒…米、米麹で作られたもの
・本醸造…米、米麹、醸造アルコールで作られたもの
醸造アルコールの多くはサトウキビから作られます。端的に言ってしまえば、醸造アルコールとは濃い焼酎なのです。
これを混ぜた本醸造は味のキレが良く、軽い味わいになります。本醸造が純米酒に劣るというわけではなく、両者は味のタイプが違うのです。
米の研ぎ加減(精米歩合)に着目しよう
日本酒にはお米が使われますが、お米をどれだけ研ぐかという点でも分類されています。これを精米歩合といい、お米の研ぎ加減により日本酒の味わいが変わるのです。
・純米酒/本醸造…お米の精米歩合が70%以下
・吟 醸 …お米の精米歩合が60%以下
・大 吟 醸 …お米の精米歩合が50%以下
精米歩合65%とは、お米の外側35%を削った状態を指します。原料のお米の外側を削れば削るほど日本酒の味わいが繊細になり、香りが強くなります。
これも純米酒よりも大吟醸が優れているというわけではありません。味わいの違いはあくまで好みの違いです。
しかし、お米の外側を削れば削るほど、使うことのできるお米が小さくなるので、一般的にお米の精米歩合が高くなる(お米の外側をよく削るほど)日本酒ほど値段が高くなる傾向があります。
9種類の分類について
このように日本酒は原料と精米歩合から分けることができます。この2つの分け方を組み合わせ、最終的に日本酒は9種類に分けられます。
上記2つの分け方を組み合わせると、まず日本酒は以下の6つに分けられます。
この上で、以下の2つを加え、8種類となります。
・特別純米酒…純米酒で、精米歩合が60%以下もしくは特別な醸造方法を用いたもの
・特別本醸造…本醸造で、精米歩合が60%以下もしくは特別な醸造方法を用いたもの
最後に、上記8種類に当てはまらないものを「普通酒」といい、これが日本酒が9種類に分類されました。この9種類はこれから日本酒を注文するうえで是非とも頭に入れておいてください。
純米酒は本醸造よりも甘くなる傾向があり、精米歩合が高くなるほど味がたんぱくになり香りが華やかになります。9種類を知るだけで、日本酒の注文がぐっと簡単になるのです。
4.日本酒は様々な温度で飲むことができる
日本酒は様々な温度で飲むことができます。これほど幅広い温度で飲まれるお酒は世界を見渡しても存在しません。
日本酒は温度が高くなると酸味が和らぎ、旨味が強くなる傾向があり、温度が低くなると吟醸香が強くなり、甘みがさらりとする傾向があります。日本酒の温度については、以下のような呼び名があります。
・雪冷え…5度
・花冷え…10度
・涼冷え…15度
・冷や……20~25度
・日向燗…30度
・人肌燗…35度
・ぬる燗…40度
・上燗……45度
・熱燗……50度
・飛切燗…55度
日本酒の温度を指す言葉は大変に雅です。
5.味わいの4分類からみる日本酒
こちらでは日本酒の他の分類をご紹介いたします。上述した9種類とは別に、日本酒を4つに分ける分類方法です。
精米歩合のように明確に数値にすることができる根拠による分類ではありませんが、日本酒を頼むときに以下の4つの分類が頭の中にあると、求めている日本酒を注文しやすくなります。
この中で味が軽やかな爽酒と薫酒は、白身魚のお刺身のように味わいが細く繊細なものに合います。反対に、味が濃い醇酒や熟酒はもつ煮込み等の味わいが濃いものにも負けない強い味を持ちます。
また、香りが控えめな爽酒や醇酒は香りに強い料理と合わせると日本酒の香りが消えてしまいます。一方で、香りが強い薫酒や熟酒は香りの強い料理と合わせても日本酒が負けません。
この4タイプを基準に日本酒を選ぶのもおすすめです。
6.どんなおつまみが日本酒と合うのか?
では、日本酒はどのようなおつまみと合うのでしょうか。頭の中に日本酒とおつまみの組み合わせいくつか持っておくと、自分で自由に日本酒を選ぶことができるようになります。
日本酒は名のとおり和食とよく合います。しかし、日本酒は和食だけでなく幅広く世界中の料理と合わせることができます。
日本酒はワインやウイスキー等と比較すると、決して磁歪の強いお酒ではありません。そのため、料理と反発することがなく、様々な料理と合わせることができるのです。
以下では、爽酒、薫酒、醇酒、熟酒の4つと具体的に合う料理をみていきましょう。
上記はあくまで目安であり、必ずしも万人に合うわけではありません。しかし、日本酒と料理のマリアージュには一定の傾向があることも事実です。
貴方の中の渾身の組み合わせを見つけてみてください。
7.まとめ
以上のように、大まかな分類を理解することで日本酒を選ぶことができるようになります。しかし、日本酒の世界は奥深く、どこまでも広がっています。
この先、自分の知らない日本酒を出会った場合は、その味わいを店員さんに素直に尋ねることをおすすめいたします。
また、飲んだことのある日本酒が増えていくことで、店員さんの味わいに対する表現もより理解できるようになり、自分で日本酒を選びやすくなります。
日本酒を覚えるためには、飲むことが一番大切です。すべての人が最初は初心者でした。貴方も勇気を持って日本酒を自分で頼んでみてください。その先には、日本酒の華やかな世界がどこまでも広がっています。
ぜひ、上記を参考にしていただき、旅行先で美味しい日本酒を味わってください。
シェアしよう
世界のブログ
一覧で見る世界の音声ガイド
一覧で見る世界のショッピング
一覧で見る共有
https://jp.pokke.in/blog/7683