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東京との違いで知れる「大阪の文化」食事や笑い、生活習慣まで

公開日:2021.10.22 更新日:2022.11.08

目次

大阪と聞いて「お笑い」や「食いだおれ」などをイメージする人は多いと思います。

今回の記事では、食と笑いの分野における大阪文化の特徴を、東京との対比を通じて分かりやすくまとめてみました。

ぜひ参考にしてください。

株式会社MEBUKU

Pokke編集部
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1.味付けは薄いがコーヒーは濃い?!大阪の食文化について

かつての大阪は、日本中から旨いものが集まる物流と商業の中心地で、「天下の台所」「食い倒れ」などの言葉に象徴されるように食にはうるさい土地柄でした。

ではその大阪でなぜ薄味が主流だったのか。諸説ある中で最も有力とされるのが、「丁稚(でっち)に出された食事が薄味だったから」という説です。

丁稚とは商家に住み込みで奉公する少年のことで、彼らは衣食住が保証される代わりに無給で働いていました。

そして丁稚を大勢抱える大きな商家では、おかずの味付けを濃くするとご飯のおかわりが増えて食費がかさむため、薄味の味付けが主流になったと言われています。

いかにもお金にシビアな商人の街・大阪らしい説と言えるでしょう。

一方、同時代の江戸は急激な都市開発が進んだため土木建築系の仕事が増え、それを目当てに莫大な人口が各地から流れ込んでいました。

そして肉体労働は汗をたっぷりかいて体力も消耗するため、ご飯が進む濃い目の味付けが定着していったと言われています。

では大阪人は万事薄口好みなのか、と言えばそうでもありません。

大阪をはじめとする関西の喫茶店では、深煎りの豆を使った濃い目のコーヒーが主流であり、コーヒー1杯に使う豆の量は13〜15gと他の地域より数g多いとされています。

2.身近な食べ物に知る!大阪の食文化について

身近な食べ物を題材に、分かりやすい東西の対比で食文化の違いを見ていきましょう。

大阪と東京の食文化の違い①「醤油」

東京風の味付けは、色が濃く旨味もしっかりとした濃口醤油が基本です。

大阪風の味付けは、色が薄く上品な味わいの淡口醤油(薄口醤油)がよく使われます。

大阪と東京の食文化の違い②「いなり寿司」

東京のいなり寿司は、「稲荷」の名前から米俵をイメージした俵型で、中身は白い酢飯です。

大阪のいなり寿司は、狐の耳や稲荷山の形をイメージした三角形で、中身はごぼうやひじきなどの具がたくさん入っています。

そしていなり寿司より「おいなりさん」と呼ぶことが一般的です。

大阪と東京の食文化の違い③「桜餅」

東京の桜餅は、小麦粉で作ったクレープのような生地であんこを包みます。

大阪の桜餅は、もち米で作った生地で団子のようにあんこを包み込みます。

大阪と東京の食文化の違い④「玉子焼」

東京風の玉子焼は、砂糖を使った甘い味付けのものが一般的です。

大阪風の玉子焼は、出汁をきかせて塩味を付けたものが一般的です。

大阪と東京の食文化の違い⑤「ソース」

東京では、トンカツもお好み焼も焼きそばも、『ブルドッグ』の中濃ソース一つでまかないます。

大阪では、ウスターソース、とんかつソース、お好み焼きソース、焼きそばソースなど、食べ物によってソースを使い分けます。

3.大阪で「笑い」の文化が根付いたのは歴史的必然だった?!

大阪人が二人寄ると日常会話が漫才に聞こえると言われるように、大阪は暮らしの中に「笑い」が根付いた土地柄です。

では、なぜこのような風土になったのでしょうか。一説によると社会の成り立ちと関係が深いと言われています。

18世紀初めの大阪は人口40万人のうち武士は1%に過ぎず、圧倒的な町人社会でした。

そして全国から物産が集まる「天下の台所」大阪では、必然的に商売に携わる人が多く、互いがにこやかにコミュニケーションを図ろうとの意識が強くなります。

まさに「商は笑なり」で、大阪で笑いが生活の一部となったのは当然と言えるでしょう。ちなみに同時期の江戸は、人口100万人のうち武士が半数を占める武家社会でした。

当時の武士は「3年に片えくぼ」、即ち3年に片頬が少し凹む程度に笑えば十分と言われていました。武張っていないと体面が保てないというわけです。

4.落語の歴史に見る大阪と東京の「笑い」の文化の違い

落語が誕生したのも江戸時代ですが、大阪(上方落語)と東京(江戸落語)では背景がかなり異なっており、そこから笑いに対する文化の違いも生じているようです。

上方落語は神社・寺社の境内や河原などの屋外で行われ、お代は噺(はなし)を聞き終わった後に集めて回る後払い制でした。

そのため往来で道ゆく人の足を止めて噺を聞かせ、お代を取るために最後まで客を満足させる気構えが必要でした。

貪欲に笑いを取ろうとする大阪芸人の基本姿勢は、こうした歴史的な土壌が背景となって育まれたのかも知れません。

一方の江戸落語は、ごひいき筋に招かれるお座敷芸として発展しました。聞き手も笑いだけではなく物語を楽しもうという姿勢で臨んでおり、お代も前払い制でした。

爆笑より「粋」を重んじる東京の演芸スタイルは、こうした土壌に根付いたものと言えるでしょう。

5.まとめ

いかがでしたでしょうか。

他にも雛人形の男女の位置が逆、畳の大きさやポリタンクの色が違う(東京は赤、大阪は青が主流)など、東西の生活文化には細かな違いがあります。

大阪にお出かけの際は、そんなちょっとした違いに目を向けると楽しみが増すかも知れません。

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