山形の有名な日本酒はコレだ!特徴やおすすめしたい日本酒9選
公開日:2021.11.08 更新日:2023.09.28
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山形名物といえばサクランボ、芋煮、玉こんにゃくなどが真っ先に上がってきますが、忘れてはいけないのが日本酒です。約4000平方キロの広い庄内平野で獲れるおいしい米と、四方を囲む山から流れるゆたかな雪解け水に恵まれたこの地では、江戸時代に入る前から酒造りが盛んに行われてきました。
現在山形県下では54の蔵元が互いにしのぎを削っており、全国新酒鑑評会の金賞受賞点数では、平成25酒造年度に第1位に輝くなど常に上位にランクインしています。
精鋭ぞろいの蔵元が醸す酒の味とクオリティの高さについては、全国の日本酒ファンが認めるところです。今回の記事では、山形のおすすめ日本酒を厳選して紹介しています。
株式会社MEBUKU
Pokke編集部
山形の日本酒は、ゆたかな香りと米のうまみを活かしている
かつて地酒関係の書籍や催事などを専門に取り扱っている某出版社が、東京都内の銘酒居酒屋を対象に「日本酒に関しての好感度No.1都道府県はどこか」というアンケートを行ったところ、山形県が過半数の得票率で1位に輝きました。
一般消費者の間では新潟の人気が高いのに対し、プロの料飲店から最も好感を持たれているのが、山形の酒であるといえるでしょう。
山形酒の人気を一気に盛り上げるきっかけとなったのが、「十四代」(高木酒造)の登場でした。淡麗辛口が主流だった1994年当時、フルーティな香りとゆたかな米のうまみを持つ甘口の吟醸酒として登場した「十四代」は、まさに酒の味の価値観に革命をもたらすほどの衝撃を与え、山形の酒に対する注目度を大きく高めました。
そのためかつて淡麗辛口が主流だった山形の酒も、今では吟醸酒比率の高まりによって、ゆたかな香りと地元産の米のうまみを活かした濃醇な味わいが特徴となっています。
【有名】日本を代表する山形のおすすめ日本酒3選
それではまず、味とコストパフォーマンスのよさでは日本代表クラスの、一度は飲んでほしい山形屈指の銘酒を3つご紹介しましょう。
山形のおすすめ日本酒①「十四代 本丸 秘伝玉返し本醸造」
今や幻の酒となってしまった「十四代」のスタンダード品。定価2200円台の本醸造とは思えないフルーティで芳醇な味わいは、「淡麗」「辛口」「純米」一辺倒だったマーケットの流れを一変させるほどのインパクトでした。
ただし、あくまで定価に対するクォリティとコスパの高さが驚きなのであって、20倍近いプレミア価格での購入は全くおすすめしませんので念のため覚えておいてください。
なお「十四代」にはほかに「七垂二十貫」「別撰」「特吟」「純米中取り」などいろんな商品があり、どれも入手困難です。幸運にも飲める機会がある方はぜひお試しください。
蔵元の高木酒造は元和元年(1615)創業の老舗で、「十四代」の生みの親は十五代目の高木顕統氏。「十四代」が誕生するまでは「朝日鷹」の銘柄がメインブランドでした。
山形のおすすめ日本酒②「出羽桜 桜花吟醸」
山形吟醸を代表する定番といえば、この「出羽桜 桜花吟醸」。ふくよかでフルーティな香りと、淡麗かつ爽快な味わいで吟醸ブームを切り開いた立役者です。
1980年の発売以来、長年にわたって人気を保ちつづけており、マックスファクターの高級化粧品「SK-Ⅱ」の香りサンプルとしても知られています。
蔵元の出羽桜酒造は明治25年(1892)の創業。1997年から海外輸出をスタートさせ、今では世界25か国以上に販路を拡大。2014年には「全米日本酒歓評会」でグランプリを受賞するなど、海外でも評価の高い酒の一つです。
山形のおすすめ日本酒③「くどき上手 純米吟醸」
インパクトのあるネーミングとあでやかな浮世絵ラベルで、日本酒ファンにはおなじみの銘柄です。デリケートな香りとマイルドな口あたり、そしてふくよかなうまみと甘みがバランスよく調和した、日本酒通からビギナーまで幅広くオススメできる純米吟醸です。
ちなみに「くどき上手」のブランドは、相手を誠心誠意説き伏せたり、手に届きそうもない高貴な人の心を「溶かす」という意味をふくんで命名されたとのことです。
蔵元の亀の井酒造は明治8年(1875)の創業。年間120万人の観光客が訪れる出羽三山の一つ羽黒山神社から、車で10分ほどの田園の中にある小さな蔵です。
【純米酒】晩酌用の定番!飲みやすい山形のおすすめ日本酒3選
華やかな吟醸タイプも好きだけど、毎晩飲むにはちょっと…という方におすすめしたいのが、晩酌向きのベーシックなこの3種。値段もお手頃です。
山形のおすすめ日本酒④「白露垂珠 特撰純米酒」
地元の酒米「美山錦」と「出羽燦々」をかけ合わせ、山形酵母と出羽三山深層水で仕込んだ純米酒。約1年にわたり、氷温に近い温度でていねいに低温熟成させてから出荷されています。口に含むとほんのりとフルーティな香り。後味として上品な甘みとかすかな酸味が広がります。
全体にシンプルな味わいで余韻のきれいな酒です。「ワイングラスでおいしい日本酒アワード2015」で金賞を受賞しています。
蔵元は安政5年(1858)創業の竹の露合資会社。「白露垂珠」のブランドは中国唐代の有名な詩人・李白が、「汲めども尽きぬ自然の美しさ」に感嘆して作った詩の一節から命名されています。
山形のおすすめ日本酒⑤「出羽ノ雪 雪 純米」
日本名門酒会がプロデュースした、日々の食卓をハッピーにしてくれる「ウチ飲み純米酒」シリーズ全7種のうちの一つ。原料米には山形県産の「美山錦」と「出羽きらり」を使用しています。
吟醸酒とはひと味ちがう香りの華やかさと、ハツラツとした口あたりが特徴です。スッキリした中にも米のうまみが広がり、ぬる燗にすると味と香りにいっそうふくらみが増します。
蔵元は米どころ庄内・鶴岡にある渡會(わたらい)本店です。元和年間(1616~1623)に創業した17代続く老舗蔵で、現在は蔵元当主の長男自らが杜氏を務めています。
山形のおすすめ日本酒⑥「上喜元 純米 出羽の里」
出羽の里は山形を代表する酒米の銘柄です。心白(米の中心にある白く不透明な部分。ここが大きいほど良質の麹ができる)が大きいため、たくさん精米しなくても良質な酒ができるといわれています。
この出羽の里の個性を存分に活かして造られたのが、「上喜元 純米 出羽の里」。米を2割しか磨いていないにもかかわらず、さらっと飲みやすいスッキリとしたタイプの純米酒に仕上がっています。
蔵元は昭和21年(1946)創業の酒田酒造。酒田の市街地に残った唯一の蔵元で、戦後まもない頃に5つの蔵元が合併して誕生した蔵です。社長自ら杜氏を務め、全国新酒鑑評会でも金賞の常連となっています。
【辛口好き必見】山形のおすすめ日本酒3選
フルーティな山形酒とは一線を画した昔ながらの辛口タイプにも、コスパがよくて個性ゆたかな逸品がたくさんあります。その中から3つをセレクトしてみました。
山形のおすすめ日本酒⑦「山形正宗 辛口純米」
香りは控えめですが、まろやかな米のうまみの後でスパッとあざやかに切れるクリアな後味は、まさに「銘刀の切れ味」。食事を引き立てる黒子のような存在の純米酒です。
蔵元の水戸部酒造は明治31年(1898)の創業。すべてが伝統的な手法による純米造りです。ミネラルをたっぷりふくんだ奥羽山系の伏流水を仕込水として使用しており、この120度の硬水が、山形正宗ならではの切れ味のある味わいをもたらしています。
山形のおすすめ日本酒⑧「千代寿 大虎 大辛口純米酒」
「飲み飽きしない辛口」をコンセプトにした純米酒。月山からの雪どけ水である寒河江川(さかえがわ)の伏流水を使い、山形県産の酒米「はえぬき」でゆっくりと仕込みました。
スペック的には日本酒度+10の大辛口ではありますが、飲み口はカラリとして意外にマイルド。くどさがなくキレがよいのが特徴です。
蔵元はさくらんぼの主産地として知られる寒河江市で、大正11年(1922)に創業した千代寿虎屋(ちよことぶきとらや)酒造。1972年からは地元特産品としてチェリーワインの醸造もスタートさせています。
山形のおすすめ日本酒⑨「東北泉 純米超辛口」
原料には心白の大きな酒米「出羽の里」を使用。日本酒度は+20と、まさに超辛口の名にふさわしい純米酒です。
口にふくんだ瞬間に米のうまみが強烈に押し寄せたあと、抜群のキレのよさのおかげで、余韻もなく後味がスッと消えてゆきます。冷やから常温、そして燗まで幅広く楽しめる懐の深さも魅力です。
蔵元の高橋酒造店は明治35年(1902)の創業。山形を代表する鳥海山の上質な伏流水を使い、純米酒以上の特定名称酒を中心に酒造りを行っています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。山形は、新潟や兵庫などに比べて酒蔵数が少ないにもかかわらず、全国新酒鑑評会で全国有数の金賞受賞数を誇っています。
若手の造り手が腕を競いながら、新たなチャレンジを繰り広げている山形の日本酒を、ぜひ一度あなたの舌でお確かめください。
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