金沢の西茶屋街を楽しもう!見どころやおすすめスポットを紹介
公開日:2021.11.16 更新日:2022.11.08
茶屋とは、江戸時代から続く大人の社交場で、食事やお酒と共に芸妓あそびなどを楽しむ場所です。石川県の金沢市内には3つの茶屋街があり、どこも昔ながらの風情を残しています。
規模の大きな「ひがし茶屋街」とその近くの「主計町(かずえまち)茶屋街」には連日国内外から多くの観光客が訪れていますが、今回は少し離れた場所にあり、他の2つほどは知られていない「西茶屋街」についてご紹介します。
株式会社MEBUKU
Pokke編集部
1.金沢の西茶屋街ってどんな場所?
金沢城の南西に位置する西茶屋街は、文政3年(1820年)から200年近い歴史をもっています。かつては上町と下町に分かれ、大門が建つ茶屋街の入口には番所も置かれ、大層な賑わいをみせていました。
今では通り1本の小規模な茶屋街になってしまいましたが、出格子が美しい2階建ての茶屋造りの家並みは情緒たっぷりです。
茶屋街としての規模は小さいものの芸妓の数は市内3つの茶屋の中で最も多いそうです。夕方になると三味線の音が流れてきたりして、昼間とは違ったしっとりとした花街風情が醸し出されます。
2.西茶屋街の見どころ、おすすめポイントを紹介
西茶屋街の見どころ①「町並み」
金沢西茶屋街なうー pic.twitter.com/4XCDdKCJtb
— ひかるん (@hikarun2014) 2018年8月13日
西茶屋街の見どころは、何といっても茶屋様式の建物が並ぶ美しい町並みです。建物の最大の特徴は1階の路面に面した「木虫籠(きむすこ)」と呼ばれる出格子です。
中から外は見えるけど外から中は見えにくいという実用面だけではなく、繊細な木組みが並ぶ景観にノルタルジーを感じます。
また、茶屋は2階が座敷なので、1階よりも天井が高くなっています。同じ高さの建物が連なっていることも茶屋街の特徴です。注意して歩いてみてください。
「ひがし茶屋街」とは違って人も少ないので、写真も撮りやすいです。
西茶屋街の見どころ②「金沢市西茶屋資料館」
金沢市の西茶屋資料館。入場料です。お茶屋「吉米楼」跡地に茶屋を再現したものでした。一階がベストセラー作家であった島田清次郎の記念館、二階が芸妓の生活シーン再現の間です。当時の彼への批評や新聞記事など貴重な資料が展示されてます。 pic.twitter.com/PKyoGREg1i
— はるかぜ書房 (@harukazeshobo) 2016年8月31日
「金沢市西茶屋資料館」は、お茶屋の雰囲気を味わえる無料の資料館です。1階はこの地で幼少期を過ごした大正時代の小説家、島田清次郎の資料館になっています。
20歳でベストセラー『地上』を出し、31歳で世を去った彼の波乱の人生を知ることができます。2階はお茶屋の部屋が再現されています。
赤い壁に畳敷き、木枠の窓ガラスから差し込む柔らかな光に、往時の茶屋にタイムスリップしたような感覚になります。
金沢市西茶屋資料館には観光ボランティアガイド「まいどさん」が常駐していて、資料館のことだけでなく、周辺散策について助言してもらうことができます。
西茶屋街の見どころ③「華の宿」
#料亭華の宿 #にし茶屋街 #金沢
金沢の「にし茶屋街」にある「料亭華の宿」で綺麗な庭や掛け軸を見ながら美味しい抹茶や近くの老舗和菓子「味和似」の濃茶落雁を頂きゆっくりでき、しかも2階の狩野派の絵や輪島塗などを見れて素晴らしい♪とてもオススメです♪ pic.twitter.com/qez83aQV7d— いいね~おいしいね~ (@nyanko002) 2018年6月25日
西茶屋街にはもう一軒、お茶屋の内部を見学できる場所があります。それが1820年から残る建物の「華の宿」です。夜は芸妓さんが同席する宴席が設けられますが、午前中は1階を茶房として営業しています。
喫茶の利用者へのサービスとして2階のお座敷見学を許可しているのです。2階部分の見どころは「群青(ぐんじょう)壁の間」と「朱壁(しゅかべ)の間」。
鮮やかな壁の色にお茶屋の粋を感じます。飾られている美術品や調度品にも注目です。
3.金沢の西茶屋街で買いたいお土産、おすすめ喫茶
3-1 諸江屋
そしてO先生から金沢のおみやげ、諸江屋の落雁を頂きました。お菓子はもちろん、箱もかわいい…!! pic.twitter.com/IFto82QWas
— 多摩美術大学茶道研究會 (@sadoken_TAU) 2014年1月23日
「諸江屋」は1849年江戸末期創業の落雁の老舗です。加賀銘菓として名高い「加賀宝生」や「濃茶落雁」などもこの諸江屋の商品です。
ココア味の落雁や、加賀麩の煎餅、最中など落雁以外の商品もあり、日持ちするものも多くお土産にぴったりです。
店の奥にある「味和以」は喫茶スペースで、きれいに整えられた庭を見ながらぜんざいや抹茶などを頂けます。夏はかき氷や冷やし寒天などのメニューも登場します。
3-2 甘納豆かわむら
金沢 にし茶屋街で見つけた「甘納豆 かわむら」の甘納豆たち。
パッケージからして美味しそう! pic.twitter.com/4UdQ2b1Odm
— Yoshinobu TSUKADA (@GoBirdie) 2018年8月12日
「甘納豆かわむら」では、栗や芋、ひよこ豆、クルミや果物の皮など、さまざまな素材を使ったユニークな甘納豆が並んでいます。季節限定の商品もあるので要チェックです。
甘納豆かわむらには支店がなく、通信販売もしていないので、ここの商品はにし茶屋街に行かないと買えない、希少なお土産です。
無添加の優しい味と共にパッケージの可愛らしさも大人気。いちご味やよもぎ味といった珍しい味の羊羹も探してみてください。
「甘納豆かわむら」には「ノマノマ」というテイクアウトの店が併設されています。こちらは不定期で開いているお店で、主に夏季の週末や祝日に営業しています。
看板商品は甘納豆を作る時にできるシロップ「まめみつ」を使ったかき氷で、他にはもなかアイスやソフトドリンクなども販売していますが、「まめみつ」がなくなった段階で営業は終了です。
営業していればラッキーな「ノマノマ」、是非覗いてみてください。
3-3 プレスタ
金沢のにし茶屋街に4月1日、英国のチョコレートブランド「PRESTAT」を扱う「カフェ プレスタ 金沢店」がオープンしました。https://t.co/xUlAry6ILG pic.twitter.com/sMsXwig6A2
— 金沢経済新聞 (@kanazawakeizai) 2018年4月18日
横文字の暖簾が不思議と町並みにマッチしている「プレスタ」は、2018年4月にオープンしたばかりのイギリスのチョコレートショップです。日本ではまだ2店しかなく、路面店は西茶屋街の店が初めてです。
1階には色とりどりのパッケージに入ったチョコレートが販売されていて、お土産選びはこちらでしますが、せっかくなので是非2階へ。
2階は和室をモダンにアレンジした趣あるカフェで、パフェや焼き菓子のセットなどが頂けます。どれも英国直輸入の本格的な味です。
これら西茶屋街のお店は夕方に閉店してしまうところが多いので、あまり遅くならないうちに訪問してください。一方、西茶屋街は夜になるとまた違う魅力を発揮します。
灯りがともり、芸妓さんが行き来する町の様子も一見の価値があるものですし、夜に営業する料理店などもあり、夜は夜で違った視点から楽しむことができます。
4.金沢の西茶屋街へのアクセス方法
西茶屋街は、金沢駅から約2.6km、徒歩だと40分ほどの距離のところに位置しています。バス利用なら、金沢駅から北陸鉄道バスで約15分、「広小路」下車で徒歩3分です。
車の場合は北陸自動車道「金沢西IC」から約15分になります。個々の店に駐車場はなく、「にし茶屋観光駐車場」があるので、そちらを利用することになります。
料金は最初の60分以内 ¥300、以降30分ごと ¥100です。(2018年8月現在)
5.西茶屋街の周辺おすすめスポット
西茶屋街は広くないので、さほど時間がかからずに観光ができます。近くの観光地とセットで訪れると良いでしょう。周辺の見どころを簡単にご紹介します。
5-1 妙立寺
西茶屋街の近くにある妙立寺は別名「忍者寺」。忍者がいたわけではないのですが、落とし穴になる階段や、城までの抜け道になったという「伝説の井戸」など、興味深いからくりがたくさんあります。見学は完全予約制です。
5-2 長町武家屋敷跡
西茶屋街から徒歩15分弱のところにある「長町武家屋敷跡」は、江戸時代の武士の住居の趣を残しているエリアで、ドラマのロケなどでも使われています。黄土色の土塀と石畳が連なる路地は散策にもってこいです。
5-3 室生犀星記念館
西茶屋街から徒歩5分ほどのところにある「室生犀星記念館」は、金沢が生んだ詩人であり小説家でもある室生犀星の生家跡に建つ記念館です。
多様な切り口の企画展が催され、犀星の遺品などの展示と共に文学愛好家を惹きつけています。
6.まとめ
このように、観光地として大々的に注目されることは少ない西茶屋街ですが、しっとりとした風情を残し、金沢らしい気品あるお土産も購入できる素敵なスポットです。
時間に余裕があったら是非訪問してください。
シェアしよう
石川のブログ
一覧で見る石川の観光施設
一覧で見る石川のグルメ
一覧で見る共有
https://jp.pokke.in/blog/8124