『アート』を楽しむ太宰府天満宮!こんな見どころポイントも
公開日:2021.11.23 更新日:2022.12.19
太宰府天満宮といえば、学問の神様でも有名な藤原道真を祀っている場所ですが、アートという視点でも楽しめるのをご存知でしょうか。
今回の記事では、太宰府天満宮に訪れたら見逃してはいけないアートの楽しみ方について紹介しています。ぜひ参考にしてください。
株式会社MEBUKU
Pokke編集部
アートで楽しむ太宰府天満宮!歴史や見どころを紹介
菅原道真は「学問の神様」だけでなく「文化の神様」でもある
福岡県にある太宰府天満宮、言わずと知れた「天神さま」すなわち菅原道真を祀(まつ)る全国12,000社の総本宮です。
なぜ、太宰府天満宮が総本宮かというと、ここに菅原道真の墓所があって、その上に社殿が建てられているからです。
平安時代に右大臣として政治の中枢にいた道真は政略によって太宰府に左遷され、そこで生涯を終えた道真は太宰府に埋葬されたのです。
藤原道真は神童と呼ばれていた
当時の菅原家は学閥の名門で、道真も幼少から学問の才能を発揮し5歳で和歌を詠んで神童と呼ばれました。
歴史書の編纂を手がけ、書道にも優れた道真はまさに天才学者で、当時からアートの匂いがプンプンしていたのです。
死後にその学者としての功績で「学問の神様」と崇(あが)められるようになったのですが、書や歌の素晴らしい才能から「文化の神様」としての信仰も広まっていったのです。
見逃してはいけないアートの宝庫「宝物殿」「菅公歴史館」
今日の太宰府も人沢山だ(*’▽’*)
亀のいない宝物殿(๑˃̵ᴗ˂̵) pic.twitter.com/WHH432nkic— 柊 瑠璃さわさわ (@RURI_HIIRAGI) 2018年2月18日
「文化の神様」道真を祀る太宰府天満宮には、和歌や書画などが数多く献上されるようになり、アートな太宰府天満宮としての性格を強めていったのです。
古書や工芸品を含む貴重なアートを所蔵、展示しているのが太宰府天満宮の「宝物殿」です。境内を本殿への参詣の往復だけで済ますのは本当にもったいないことで、本殿手前の脇にある「宝物殿」を見逃してはいけません。
5万点ものお宝が所蔵されている「宝物殿」ですが、多くの博物館がそうであるように、所蔵品の全てが展示されているわけではなく、一部だけが常設展示や期間を限った特別展示で見ることができるのです。
展示されないお宝は図書館の書庫と同じように厳重に保管されているのです。といっても、展示品の中で貴重なアートを楽しむことができます。
注目は道真の御佩刀(ごはいとう)、要するに道真が帯刀していた刀です。道真は武士ではないのでこれを振り回すことはなかったわけですが、貴重な刀を見ることができます。
道真の生涯や天神さまという神になったいきさつを伝える天神縁起絵巻という絵巻物もなかなかです。絵巻物というもの自体がめったに見ることができないので貴重なアート体験になるでしょう。
他に道真関連以外の展示も多くあります。大きな博物館、美術館と同じようにこの「宝物殿」にもミュージアムショップがあるので、ミニアートのグッズはお土産に最適です。
この「宝物殿」は入館料が必要ですが、同じく境内にある菅公歴史館と後で紹介する九州国立博物館とのセット券が割安で便利です。3館どこでも購入できますが、この3館で計1,030円が500円に割引と超お得ですね。
ぜひ、菅公歴史館も忘れずに見て下さい。この「菅公歴史館」、道真の一生を博多人形に衣装を着せた装着博多人形によって16の場面で語る優れものです。
装着博多人形は、今では制作されていない古い手法の博多人形で貴重なアート作品です。
現代アートも展示する「宝物殿」
さらに「宝物殿」には現代アートも展示されています。
なぜ、太宰府の「宝物殿」に現代のアートがと思われるかもしれませんが、企画展示室では2018年7月7日~11月25日の期間、独特の技法を用いる日本画家による太宰府天満宮コレクションをテーマにした展覧会が開催されています。
天満宮境内の梅や花菖蒲といった自然を描いた作品を含むこのコレクション、実は太宰府天満宮のアートプログラムで展示された作品の再展示という企画です。
アートプログラムとは、さまざまな分野で活躍するアーティストを招き、太宰府に滞在しながらの取材を通して作品を創作してもらうというものです。
さすが、太宰府天満宮のやることはすごいという感じのスケールの大きさです。アーティストの視点から見た新しい太宰府天満宮の一面が映し出されているのです。
境内のいたるところにアートがある太宰府天満宮
太宰府天満宮、実は境内のいたるところにアートを見ることができるのです。本殿の手前で赤い楼門(ろうもん)をくぐりますが、ゆっくり見ながら通りましょう。
門の屋根に注目です。池側から見ると屋根が2つ、本殿側から見ると何と屋根が1つ、芸術的な形状の門です。そして、美しい本殿もまた芸術性に富んでおり、国の重要文化財に指定されています。
参詣の後は「宝物殿」や「菅公歴史館」をお見逃しなくと先程述べましたが、さらに見逃してはいけないアート、それは御神牛(ごしんぎゅう)と呼ばれる牛の像です。
なぜ、太宰府天満宮に牛の像があるのか、これには菅原道真と牛との関わりが関係するのです。伝承によると、道真は次のような遺言を残したそうです。
それは、自分が死んだ時には遺体を牛車に引かせ、牛が立ち止まった場所に埋葬してくれというものでした。実際その場所が現在の太宰府天満宮なのです。
境内の入口すぐ、正面の目立つ所に御神牛の銅像があります。頭を撫でると賢くなれると言われているので、忘れずに撫でましょう。
この牛の像、何と境内にはあと10体あるのです。全部見つけて頭撫でラリーという感じになるかもしれません。
境内にはさらに、歌碑がいくつかあります。案内所の右手奥にあるのが、道真が太宰府に左遷された時の歌として有名な「東風(こち)吹かば~春な忘れそ」の歌碑です。
他にも有名人物のものがありますが、御神牛や歌碑を探していると、境内に何か現代的なモニュメントが見つかるかもしれません。
季節の変化を楽しめる自然のアート〜おみくじの色も変わる~
太宰府天満宮の境内は自然公園でもあります。季節ごとの色とりどりの花はまさに自然のアートです。天満宮の象徴的存在の梅は白梅、紅梅合わせて6000本が1月下旬~3月に咲き誇ります。
春には桜はもちろん、ツツジやフジも、さらに続いて国の天然記念物2本を含むクスの若葉がきれいです。6月には菖蒲池に白や紫の菖蒲(しょうぶ)や紫陽花(あじさい)、そして最後にはこれでもかと紅葉の季節を迎えます。
1年の内、かなり高い確率でインスタ映えする自然のアートを楽しめます。
さらに、太宰府天満宮のおみくじは、何とこれら季節の植物をイメージして色付きなのです。例えば1~3月は紅梅の淡いピンク、4月~5月はくすのきの若葉の淡い緑、6月は菖蒲の紫、11月は紅葉の赤、橙、黄という具合ですね。
通常の白いおみくじよりも、開けるときのワクワク感が倍増する感じです。
アートでつながる九州国立博物館
最後にアートつながりでもう一つ、九州国立博物館の話です。
全国でも数少ない国立の博物館という立派なものですが、アートと関わりの深い太宰府天満宮が、太宰府の地に博物館を誘致することに熱心で、何とその敷地を博物館建設のために提供したのです。
さらに太宰府天満宮の境内からトンネル通路で博物館へ行けるというつながりで、相乗効果の人気をもたらしています。
最後に
合格祈願や初詣で参詣客の多い太宰府天満宮ですが、今回はアートという視点で紹介してみました。
参詣を済ませて終わりではなく、じっくりと境内を歩いてアートな太宰府天満宮を見つけ、そして楽しんで下さい。
新しい発見や感動が必ずあるはずです。
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