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大阪の日本酒は食を引き立てる!食い倒れの街が育んだ美酒7選

公開日:2021.11.24 更新日:2023.09.28

目次

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江戸時代の大阪は“天下の台所”と呼ばれ、日本中からおいしいものが集まり、食文化が大いに発展しました。 おいしい食べ物がある所には、必ずおいしい日本酒がつきものです。 というわけで今回の記事では、食い倒れの街・大阪が育んできたおいしい日本酒をご紹介します。ぜひ参考にしてください。

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Pokke編集部
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食文化が栄えた大阪の日本酒は、料理をおいしくする淡麗旨口

日本有数の酒どころとして知られる兵庫・灘、京都・伏見に挟まれた大阪は、今日では日本酒の産地としてのイメージは希薄になっています。 ただ、実は江戸時代半ばまで灘・伏見はむしろ後発で、大阪こそが天下一の酒どころだったのです。 摂津・河内・泉州の三州で醸造され、江戸に向けて大量に運び込まれた酒は、「下り酒」としてもてはやされました。 反対に関東の酒は味が劣るため「下らぬ酒」と言われ、そこから「くだらない=取るに足らない」という言葉が生まれたとの説もあるほどです。 豊かな食文化に育まれ鍛えられた大阪の日本酒は、すっきりとした飲み口の中に確かな主張を持つ淡麗旨口が持味です。 料理をさらにおいしくすると共に、料理によっていっそう旨さが際立つタイプの酒と言えるでしょう。

大阪の日本酒と言えば真っ先に名前が挙がる2大銘柄の美酒

大阪の代表的な日本酒①「秋鹿 入魂之一滴 純米大吟醸 無濾過雫酒」(秋鹿酒造)

「秋鹿」は大阪を代表する銘酒の一つとして、全国にファンの多いブランドです。 蔵元は、米作りから酒造りまで一貫して手がけるシャトー型酒蔵として知られる秋鹿酒造。能勢の名水である歌垣山の伏流水を使って、無農薬栽培による純米酒にこだわって造っています。 「入魂之一滴 純米大吟醸」は、圧をかけずに醪の自重だけで滴り落ちた雫を瓶詰めするという、手間のかかる方法(雫採り)で搾られた純米大吟醸酒です。 香りはおだやかで、口に含むと米の旨みがどっしりと感じられます。まさに「入魂の一滴」の名に恥じない酒質で、焼魚、刺身などの食中酒として飲むと、料理の味をより引き立たせてくれます。

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大阪の代表的な日本酒②「呉春 特吟」(呉春)

兵庫・灘が台頭するまで、酒どころと言えば大阪の池田が最も有名でした。その伝統を今も受け継いでいるのが、作家・谷崎潤一郎が愛した酒として知られる「呉春」です。 先代の社長は谷崎と交流が深く、「細雪」「卍」の校正を手伝うほどの親しい仲でした。 創業は江戸中期の元禄年間(1701年頃)で、現在のラインナップは普通酒、本醸造酒、特別吟醸酒の3種類と、期間限定(9〜12月)の大吟醸のみとなっています。 特吟は最上級の酒米である赤磐雄町を50%磨いて、じっくり低温発酵させて旨味を引き出した吟醸酒です。瓶詰めした後も低温貯蔵庫で寝かせてから出荷するので、熟成のきいた深い味わいが楽しめます。

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大阪発・全国の日本酒通をうならせる実力蔵の銘酒5選

大阪の実力派の日本酒①「利休梅 静香 純米吟醸」(大門酒造)

「利休梅」は、文政9年(1826)に創業した大門酒造の主銘柄。その昔、清少納言が枕草子で「野はかた野…」とその情緒ある自然を讃えた交野が原(交野市)の銘酒です。 若い頃に世界を放浪したという6代目蔵元が自ら杜氏を務め、清水ヶ谷の湧き水を使って、酸味の効いた飲み口の爽やかな酒を造り続けています。 「静香」は兵庫県産山田錦を100%使った、柔らかな吟醸香とすっきりとしたシャープな味わいが特長の純米吟醸酒。様々な食の場面にマッチする人気の定番です。

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大阪の実力派の日本酒②「天野酒 純米大吟醸 天游」(西條合資会社)

最高級の「特A山田錦」を50%以下まで精白し、徹底的に旨味を追求したバランスの良い純米大吟醸です。蔵の持ち味であるコクの深さを備えながらも、爽やかな香りとさっぱりとした後味に仕上げられています。 蔵元は享保3年(1718)創業の西條合資会社。自家精米した酒造好適米を使用し、南部杜氏が昔ながらの技を用いて醸しています。 日本酒造りの他に、室町期に寺院で造られ太閤秀吉も愛飲した「僧房酒」の復刻版や、バウムクーヘン、葛餅などのスイーツも手がけています。

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大阪の実力派の日本酒③「三輪福 純米大吟醸」(井坂酒造場)

山田錦を45%まで磨いた、グラスに注いだ時にも口に含んだ時にも極上の香りを放つ、ていねいに仕込まれた純米大吟醸酒です。 「三輪福」は文政元年(1818)に「だんじり祭り」で有名な大阪南部の泉州・岸和田で創業し、今年でちょうど200周年を迎えた井坂酒造場の主要銘柄です。 酒の神様として知られる奈良の三輪神社から、特別に「三輪」という酒銘の使用を許されており、昔ながらの手造りで酒本来の旨味を大切にしています。 他にも「だんじり」という名の、地元で愛されている銘柄もあります。

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大阪の実力派の日本酒④「國乃長 大吟醸」(壽酒造)

兵庫県産山田錦を精米歩合50%まで磨いて仕込んだ大吟醸酒。香り高さと共に、熟成したまろやかな味わい深さを兼ね備えています。 和食なら煮物・焼き物と好相性ですが、魚のマリネやチーズなどの洋食にもよく合います。金と黒で構成されたシンプルで高級感のあるラベルは、ギフトとしてもおすすめです。 蔵元は文政5年(1822)創業の壽酒造。「國乃長」という名前は創業当時からのもので、醸の国の長であらんという決意から来たものだそうです。 また、日本酒と同じ「國乃長」ブランドで地ビール造りも手がけています。

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大阪の実力派の日本酒⑤「片野桜 山廃仕込純米酒 無濾過生原酒」(山野酒造)

濃醇で味の幅が広く、コクのある深い味わいが特長の純米無濾過生原酒です。口に含むと米の旨味がまず広がり、その後に追いかけて来る酸味が絶妙のバランスとなっています。 生原酒ですが、ぬる燗にしてもおいしくいただけます。蔵元は江戸末期創業の山野酒造。全製造数量の約8割が特定名称酒で、そのうちの4割を原酒で蔵出しするほど原酒にこだわっている蔵です。 全国新酒鑑評会ではこの10年で7度の金賞を受賞しています。

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最後に

今回ご紹介したいくつかの蔵元のうち、大門酒造、井坂酒造場、西條合資会社、山野酒造では酒蔵見学を受け付けています(※一部事前予約が必要です)。 大阪の日本酒に興味の湧いた方はぜひ酒蔵に足を運んで、伝統ある「上方の下り酒」の味を堪能してみてください。

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