提灯の明かりに彩られた幻想的な街、台湾・九份
どこまでも続く細い石畳の階段を照らすのは、ずらりと並ぶ提灯の幻想的な灯火。その両脇には木造のレトロな建物が軒を連ね、ノスタルジックな情景が浮かび上がる。その雰囲気は「千と千尋の神隠し」の舞台に非常に似ており、まさに作中のような幻想的で不思議な異界の雰囲気が味わえる街。このガイドでは、階段を登りながら、ノスタルジックで美しいこの街の成り立ち、どこか懐かしさを覚える穴場のお店や街の見どころをおすすめのルートに従って案内していく。夕方以降に視聴するのがおすすめだ。一度歩くだけじゃ知り尽くせない、九份の見どころ
九份の夜はその幻想的でノスタルジックな雰囲気だけでも十分に楽しむことができ、一度回っただけでは細かいお店まで目を行き届かせるのはなかなか難しい。しかし九份には他にはないような素敵な飲み屋やお茶処や甘味処、雑貨屋などが多数あり、中には一度通っただけでは見過ごしてしまうような穴場のお店や少し変わったお店も存在する。このガイドを聞き、九份の魅力を取りこぼすことなく堪能しよう。
九份の天国と地獄
今では上も下も多くの観光客で賑わう豎崎路だが、昔は階段を上った先には飲み屋などが多く、下ったところは病院や派出所、金品を盗んだ罪人が入れられる事務所があったことから、階段の上と下はまるで天国と地獄のようであった。昔の九份を知り、意識して歩くと、観光地として人気になる前の、本来の九份の姿も感じられる。
「千と千尋の神隠し」の世界観
宮﨑駿監督は否定しているが、九份は「千と千尋の神隠し」で千尋が迷い込んだ異界の景色と非常に似ていることでも有名。中でも、九份の街で一番有名な老舗茶芸館「阿妹茶樓(アーメイチャーロウ)」は、劇中に出てくる湯婆婆の油屋にそっくり。エキゾチックなその外観と日が暮れると灯される赤い提灯が、何とも言えない妖しさと美しさを醸し出す。異界に迷い込んだ千尋の視点から九份を眺めたら、どんな風に見えるのだろうか。