サン・ジョセップ市場(ラ・ボケリア)でグルメを堪能しよう! - スペイン・バルセロナ
ラ・ボケリアとバルセロナの人々に親しまれている、サン・ジョゼップ市場。中世の移動市場にその起源を持つこの市場は、バルセロナの公設市場の中で最も古く、1840年に開場しました。修道院の跡地に建てられています。入り口のモデルニスム様式のデザインが美しいこの市場、現在では300を越える店舗があります。見て買うだけではない、食べても楽しめる市場
建築という観点から見ても興味深いサン・ジョゼップ市場ですが、市場の醍醐味はやはりそこで売っている新鮮な食品です。 市場の中を自由に歩いて、売られている物を見てみてください。スペインの中でもバルセロナが位置するカタルーニャ地方はグルメとして特に有名です。サン・ジョゼップ市場には、日本ではあまり見られないグルメご用達の専門店が多くあります。 例えば色々な種類の卵だけを取り扱った店、ウサギ・野鳥・カタツムリなど野生動物を扱う店、きのこ専門店などなど。また市場で買える物は野菜や肉、魚などの生鮮食料品ばかりではありません。その場で飲んだり食べたりすることができるものも色々あります。 新鮮な果物やドライフルーツ、絞りたてのフルーツジュースや、切りたての生ハム、パン、などなど。 日本への持込が禁止されている生ハムは、ぜひこの機会に市場で味わっておきたいですね。市場の新鮮な材料を使った料理がカウンターに並んでいるバルもたくさんあります。小腹がすいたときに少しだけ食べることができるのもバルの魅力。美味しそうなものを見つけたらぜひ食べてみて下さい。
サン・ジョゼップの幽霊の伝説
毎日多くの訪問者でにぎわうサン・ジョゼップ市場。 しかし、実はこの日は訪問をあまりおすすめしないという日があるのをご存知ですか?それは7月15日、特に夕方の日暮れ以降の時間です。 昔バルセロナのこのランブラスの西側の地域には修道院や教会がたくさんありました。市場を作るために壊されたと前にお話したサン・ジョゼップ修道院もその一つでした。時をさかのぼる1835年、サン・ジョゼップ修道院は所属する修道士が少なくなり、例年行っていた聖母カルメンの日を祝う行事を中止することにしました。 しかし祝いの中止に納得のいかなかった若い新人修道士がいました。聖母カルメンの日の前夜、修道士たちが寝静まったあと、まるであの世から聞こえてくるような声が修道院に響き渡りました。 修道士たちはその声に目を覚まし、恐怖を感じながらも音が聞こえてくる教会の方へ向かいました。 教会に到着すると、なんと合唱隊の席が見知らぬ修道士たちでいっぱいになっているではありませんか。頭巾の下から死人のように青ざめた不吉な表情をのぞかせ、彼らは謎めいた歌を歌っていました。 歌い終ると一人一人手に持ったろうそくに火をつけ、さらに身の毛のよだつような曲を低く歌いながら修道院の墓地へと向かっていきました。彼らは墓地に着くと、ろうそくの火を消して、それぞれ墓の中へと入っていきました。 この一連の出来事を見た修道士たちが教会に戻ると、合唱隊の席で死んでいる修道士をみつけました。それは1人、祝いの中止に反対した若い新人修道士でした。この聖母カルメンの日の前夜から10日後の1835年7月25日、修道院が焼かれるという事件がおき、多くの修道士が逃げ遅れて亡くなりました。 この出来事が起こってから毎年7月15日にサン・ジョゼップ市場では、謎めいた歌が聞こえるといわれています。
モデルニスムの美しいエントランスも見逃せない
ステンドグラスが美しいこのガウディー風のモデルニスム様式のメインゲートは建築家アントニ・デ・ファルゲラの1913年の作品です。鉄製の枠に青と黄色のガラスがはめられている、この門の上部には、昔のバルセロナの紋章が掲げられています。1914年に作られた5つの部分からなる鉄製の屋根に覆われた市場は、なんと2583㎡の広さ。中には300を越える店舗があります。