おとぎ話の世界を歩こう!屋根のない美術館ブルージュ街歩き
まるでおとぎ話の世界
14世紀には北西ヨーロッパ一の港町として、15世紀にはブルゴーニュ公爵のもと経済・文化の中心地として、洗練された都市であったブルージュ。
中世の興隆ぶりを今に伝える歴史的建造物が立ち並び、「屋根のない美術館」とも評される美しい街です。
ベルギーではどの街にも、オランダ語では「マルクト広場」、フランス語では「グラン・プラス」と呼ばれる広場があります。
マルクトとはマーケットのこと。
その名のとおり、市場が立ち、ありとあらゆる街の歴史の重要な舞台となってきたこの広場が、そこに住む人々の思いの中核をなしていると言えるでしょう。
ブルージュのマルクト広場は、10世紀以降、都市の中核をなしてきました。
中世には、ここで、毎週金曜日に市場が開かれていたと言われ、フランダース伯爵やブルゴーニュ侯爵が滞在した時には、騎士や貴族たちによる馬上競技などが行われたりしたそうです。
多くの人々が観覧する、極めて盛大なイベントだったことでしょう。
広場にある銅像の二人は、向かって左がヤン・ブライデル、右がピーテル・デ・コーニンク。
1302年、フランダースとフランスの間で起こった有名な戦「金拍車(きんはくしゃ)の戦い」で、フランスの騎士団を破った英雄です。
その頃、フランスは、豊かだったフランダースを併合しようと幾度も攻め込んでいました。
歩兵を中心としたフランダース軍が、騎馬兵を中心とするフランス軍を破ったのです。
騎馬兵を負かすたびに、彼らがブーツにつけていた金の拍車(はくしゃ)を奪ったので、「金拍車の戦い」と呼ばれていますが、ベルギーでは、フランダースの独立を守った戦いとして、今でも誇らしく語られています。
もっとも、その時に獲得した拍車のほとんどは、後にフランスに奪還され、今では、コルトレークの街の教会に、わずかに残されているだけになります。
ブルグ広場から自由ブルージュ館と市庁舎の間のアーチを通り抜け、盲目のロバ通り(Blinde-Eizerstraat)を進んでいくと、小さくてかわいらしい運河を橋で渡ります。
この橋の上で、向かって左側を見ると、もう一つ、苔むした古めかしい橋が見えます。
これは14世紀に作られたブルージュでも最も古いもので、メイ橋と呼ばれるものです。
ブルージュという都市名の由来には諸説ありますが、現地語の「橋」という意味から来たとも言われるだけあって、張り巡らされた運河に、多くの橋がかかっています。
さて、左手前方にはたくさんの柱で屋根を支えた建物があります。
19世紀に作られた魚市場です。
今でも日曜と祝日を除いた午前中には市が開かれていますが、最近では、魚以外のおみやげ物などを売る業者も出ています。
アーチ型の門のある白い優美な建物アーレンツハイスは、18世紀、新古典主義様式で建てられた個人の邸宅でした。
現在はイギリスの画家ブランギンの作品を中心にした美術館となっています。
また、小さなボニファシウス橋を渡るときに右を見ると、アーレンツハイスが運河の上に建てられているのがわかります。
この橋のあたりも、中世のブルージュの様子をそのままに味わえる人気の写真スポットです。
そして、橋を渡り、左の方向に進み、門を抜けると、右側に聖母教会があり、聖母教会の入り口付近まで進むと、正面に旧聖ヨハネ施療院が見えてきます。
「天井のない美術館」と異名をとるブルージュには、このほかにも魅力的な場所がたくさんあります。
ぜひ、いろいろ探訪してみてください。
施設情報
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