【Pokkeと巡る旅】国際子ども図書館 建築ツアー
東京 上野
東京の上野にある国際子ども図書館。
ここには、世界中約140の国と地域の絵本や児童書が保存されている。
建物が、明治時代の数少ないレトロな洋風建築。
ただレトロなだけではない。
明治、昭和、そして平成と3つの時代の建築が融合しているのだ。
そんな絵本と児童書と建築を巡るガイドツアーに出かけてみた。
アプリを起動して、 建築ツアーのガイドをスタートする。
はじめに、マップを確認。建物は全部で3階。
マップに従って、まずは「子どものへや」に向かってみる。
ここには、なんと9,000冊の児童書が揃っている。
ガイドに従って、見上げると、天井全体が照明になっている。
この照明にはあるカラクリがあるらしい。
それは、どんな角度で本を読んでも影になりにくい照明設計。
気になって、足元を見ても、たしかに影ができていない。
ひとつひとつに、本を読む子どもへの気遣いが込められているのだ。
ちょっと感動する。
次に向かったのは、「世界を知るへや」
もともとは、皇族など特別な方の来賓室として使われていたそうだ。今は、子どもたちに世界に目を向けてもらうための本を集めた部屋。魔女の宅急便や桃太郎などの日本の物語や絵本が、海外で出版されたものが並んでいる。
ふと、入り口の床が特徴的なことに気づく。
いろいろな種類の木材を組み合わせて色や形で模様を作る、寄木細工というらしい。
日本の伝統工芸の一つ。
絵本が並んでいる空間に入ってみる。
並んでいる絵本を眺めていると、ふと、小さいころに大好きだった絵本を発見。 『きんぎょがにげた』 1冊だけ、きんぎょの向きが逆になっていることに気づく。
手に取って見ると、アラビア語だ。
理由はPokkeが教えてくれた。
アラビア語では、右から左に文章を書くので、絵が反転しているのだそう。
続いて向かったのは、児童書ギャラリー。
明治から現代までの日本の児童書の歩みを見ることができる。
実際に手にとることもできる。
明治時代に、落語や講談を子ども向けにまとめた「赤本」をパラパラと眺めて見る。 当時の子どもたちは、こうした本を読んでいたのだ。
建築にも目を向ける。
注目したのは大きな柱。
Pokkeの言う通り、確かに柱の胴体部分が、ふくらみを持っている。内部には、竹を編んだ”竹小舞”というものが使われているからなのだそう。
今の柱は、修復されたものだが、当時と同じ手法で復元し、現代の職人への技術の継承にも役だったらしい。 “モノ”はしばらく残ったとしても、それを実現する”技術”は失われていく。 結果、”モノ”を修復し、残し続けることができなくなっている。
日本の伝統工芸の世界などで、そのことが課題になっていると何かで読んだことを思い出した。
“モノ”だけでなく、”技術”を残してこそ、”モノ”は生き続けるのだ。
ガイドに促されるがままに、そのまま大階段をのぼる。
ここには、100歳のシャンデリアがある。
よくドラマで見るような豪華さはないが、凛としていて格好いい。
レンガ棟の照明器具で、創建時のものが残っているのは、このシャンデリアだけだそう。 100年、この空間を照らし続けてきたのだ。
3階の廊下部分に行く前にあるドアのプレートを見てほしいと言われる。
見ると、「おすとあく」と書かれている。
そりゃ、押したら開くでしょう?
どうしてこんな当たり前のことが書かれているのだと思う?
とガイドに問いかけられたけど・・・
ヒントは、子ども図書館が作られたのが、鎖国していた時代から、開国し、明治という時代だったということ。 今では当たり前なことが、時代が変わると当たり前じゃない。
逆に、今当たり前のことが、未来には当たり前じゃなくなっていくのだ。
今まで見てきたものは、すべて明治時代の部屋だったけれど、このホールは昭和時代に増築されたものらしい。 高い天井による音響効果を生かして、音楽会なども開催しているそうだ。今度、参加してみたい。
3階廊下から、子ども図書館のアーチ棟を眺める。
これは、建築家の安藤忠雄さんが平成になって作ったもの。 緩やかに弧を描くデザインは、本をめくるようなイメージで設計されたのだそう。
明治時代に作られ、昭和、平成の改築・増築を経て、異なる3つの時代の要素が融合し、他に類を見ない建築物として生まれ変わった子ども図書館。
子ども図書館だから絵本や児童書ばかりだけど、改めて手にとってみると子どもの頃を思い出して、なんだか懐かしい気持ちになった。
そして、一つ一つ建築を紐解いていくガイドツアーは、発見となるほどの連続だった。 ガイドがあると、丁寧にモノを見れるような気がする。
丁寧になり、視界が広がる感じがする。
このシリーズでは、Pokkeのガイドで体験できる場所を案内していきます。
今回、ご紹介したのは子ども図書館のレンガ等建築ツアー。
ぜひ、足を運んで、絵本と児童書と建築をお楽しみください。
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施設情報
施設名 | 国立国会図書館国際子ども図書館 |
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エリア | 日本 > 東京 > 上野 |
住所 | 東京都台東区上野公園12−49 |
営業時間 | 9:30-17:00 |
定休日 | 月曜日 国民の祝日・休日(5月5日のこどもの日は開館) 年末年始 第3水曜日(資料整理休館日) |
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https://jp.pokke.in/story/5810