歴史遺産と未来への変化が調和するブリュッセルの街歩き
漫画壁画と小便小僧は必見
西ヨーロッパ交通の中心地の一つであり、各国際機関の本部が置かれるヨーロッパ政治の拠点都市ブリュッセル。
中世からの歴史遺産と未来への変化が調和した美しい街です。
日本でもよく知られる小説「ああ無常」で有名なヴィクトル・ユーゴーは、「世界で一番美しい広場」と呼んで、この広場を愛したといいます。
ここを「絢爛(けんらん)たる劇場」と呼んだとされるのは芸術家ジャン・コクトー。
この広場は、1998年、ユネスコの世界遺産に登録されました。
グラン・プラスとは、フランス語で「大きな広場」のこと、幅110メートル、奥行き68メートルあります。
ここは古くから、商業だけでなく、政治、裁判、市民の集まりやお祭りと言った様々な用途に使われてきた旧市街の中心広場です。
現在でも、一年間を通じて、様々なイベントやコンサートなどが開かれ、多くの人々が行き交います。
代表的なのが、偶数年の8月半ばの週末に開催されるフラワーカーペット。
この広場は、ベゴニアなどの花びらで埋め尽くされます。
ロンバール通りを超えて、さらに少し歩くと、右手前方に見えてくるのが、「タンタンの冒険シリーズ」の漫画壁画です。
ベルギー人の漫画作家エルジュの手によるこのシリーズは、青年ジャーナリストの主人公タンタンと愛犬スノーウィー、その良き理解者であるハドック船長などが登場する冒険物語。
スピルバーグ監督による映画化で一躍有名になりましたが、原作はBD(ベーデー)と呼ばれる欧州漫画の代表作で、日本語を含め、100以上の言語に翻訳出版されて今も世界中の人々に愛され続けています。
ベルギーではBDは第九番目の芸術とも言われ、漫画本は「アルバム」と呼ばれる美しい装丁のもの。
ベルギー人は、子供の頃から、気に入ったアルバムを何度も何度も読み返しながら大切に保存し、大人になるまでには相当な数のコレクションを持つようになります。
ブリュッセル市内には、このタンタン以外にも、30数カ所に有名なベルギー人漫画家による漫画壁画があり、観光局やネット上には専用マップなどもあるので辿ってみるのも楽しいものです。
そして、エチューブ通りを進むと、左手前の角で小便小僧があなたを迎えてくれます。
とても小さいので驚かれるかもしれません。
身長はたったの61センチ。
名前はジュリアン。
彼にはいくつかの逸話があります。
その一つをご紹介しましょう。
昔、ブリュッセルの城壁を爆破して攻め入ろうとした敵が、導火線に火をつけました。
それを見たジュリアン君が、とっさに機転を利かせておしっこで火を消し、ブリュッセルを守ったのだそうです。
町の人達は少年のアイデアと行動力を称えて、この銅像を作ったというものです。
「芸術の丘」から緩やかな坂を上る途中、左手に、曲がりくねった鉄製の興味深い建物が見えましたか?
よく見ると、「オールド・イングランド(Old England)」と書かれていますが、この建物はその名の通り、オールド・イングランドという名の高級デパートとして建てられたもので、現在は、楽器博物館となっています。
建物は、1899年にベルギー人のポール・サントノワによって設計された、アールヌーボー建築の重要文化財となっています。
施設情報
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