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その旅に、物語を。

その旅に、物語を。Pokkeのコンセプト

コンセプト

Pokkeについて

この2月から3月にかけて、日本遺産である奥出雲町たたら製鉄21スポットのガイド(Pokke初の10言語で!)、ヨーロッパのパリ・ロンドン・バルセロナの合計約150スポット約30時間以上のガイド、ひな人形の伝統である京都の安藤人形店のガイドなどをリリースすることができました。

そして、本当にありがたいことに、この1年で、京都や島根、鳥取、茨城などで出会った方々とフェイストゥフェイスで、お話しさせて頂く機会を頂きました。

そういったシーンで、Pokkeで創っていきたい価値や今後の展望について、言葉を尽くしてきました。対話してきました。しかし、もっと多くの方に知ってもらい、一緒に面白い旅の体験を作って行くことができたらと思い、これから定期的に発信していくことにしました。

僕らはこの世界の3%しか味わえていない

“人は各種各様の旅をして、結局、自分が持っていたものだけを持って帰る” ゲーテ(ドイツの詩人、小説家、劇作家)

例えば、ある曲を聴いたときに、絶対音感のある人に聞こえている世界と、音楽音痴な僕に聞こえている世界は、脳に入力される情報としては同じかもしれないけれど、認識としては全く違うものであるはずです。

旅に置き換えれば、例えば、教会を見たときに、建築や都市を学んだ人の見ている景色と、そうでない人とでは、認識しているものが違うはずです。宗教に明るい人とそうでない人とでも、また違うはずです。同じ視覚情報を受け取っていても、認識として見ている世界は違っているはずです。

また、例えば、歌舞伎や能を初めて何の前提知識もなく鑑賞する人と、鑑賞のコツのようなものや教養を持っている人とでは、楽しみ方が全く違ったものになっているのではないでしょうか?

格好いい話ではありませんが、実際、僕が初めて歌舞伎を見たときは、何が行われているのかをうまく解釈できず、退屈になってしまい、眠ってしまいました。ですが、能を初めて見たときは、能に詳しい方と一緒で、事前にいろいろ教えてくださったり、当日の演目の口語訳を準備してくださったおかげで、最後まで楽しんで見ることができました。

初めてのものと対峙するときに、その世界をどう見ればいいのか、どう捉えればいいのか、どう触れればいいのかを、誰かが教えてくれれば、目の前の景色が変わって見える。そういう経験だったと思います。

旅でも同じではないでしょうか。

いつも住んでいる場所とは違う別の土地に行き、その土地の世界(人、文化、歴史、食、言語など様々なもので構成されている)に触れようとします。その世界を捉えようとします。

ですが、その触り方や捉え方を僕らは本当に知っているのでしょうか。どのくらいの解像度で見ることができているのでしょうか。

絶対音感のある人が見る音楽の世界のように、実はもっと解像度の高い触り方があるのではないでしょうか。歌舞伎や能をよく知る人が鑑賞するように、もっとその世界を楽しむコツのようなものがあるのではないでしょうか。

実は、いつもと違う土地の世界の捉え方というのは無数にあって、そのほとんどを僕らは知らないのではないのではないでしょうか?

少し飛躍しますが、僕らは、その場所を、その世界を、3%くらいしか味わえていないのではないでしょうか?写真を撮ったりすることで、味わった気分になっているだけで、実はまだ見えていない世界が広がっているのではないでしょうか?もっと楽しい旅の体験を堪能できるのはないでしょうか?冒頭のゲーテの言葉のように、僕らは旅をしても、自分の持っているものしか、実は持ち帰ることができていないのではないか?

では、どうすれば、3%を120%に引き上げることができるのでしょうか?

まさに、この部分が、Pokkeで取り組むべき領域だと考えています。

聴けば、見えない世界が見えてくる



“空という言葉なしに空を見ることはできない” 谷川俊太郎(日本の詩人)

Pokkeは、世界中の場所の音声ガイドツアーを楽しめるアプリです。

音声ガイドと聞くと、どういう印象をお持ちでしょうか? 少し難しそうで、知識的で、勉強を彷彿とするような真面目なもの、という印象をもつ方が少なくないかもしれません(実際、周りの方に聞くとそういった答えが多く返ってきます)

もちろん音声ガイドで語られる内容は、歴史だったり、その場所のストーリーだったり、背景だったりします。ある意味、それは知識になりえます。しかし、僕らがPokkeを通して提供したい本質的な価値は、知識ではありません。

その先にあるものです。

それは、その場所のストーリーを通して、その場所とあなたが対峙して、その世界をよりよく見えるようにすること、よりよく捉えられるようにすることです。新しい世界の見方を手に入れるヒントを提供することが、Pokkeの価値だと考えています。

その場所に立ち、その場所を見ながら、その場所のストーリーを聴いて、違う世界に、時代に思いを馳せる。そして、さらに、今の自分の価値観や環境と対比してみる。そうすると、自分の世界がちょっと広がったように感じられる。世界が近くに感じられる。旅の体験がより密度の高いものになる。

例えば、イタリアにいけばいたるところにキリスト教の影響が行き渡っています。キリスト教とそれがどういうシーンでどういう影響を落としているかを知っているかどうかで、イタリアの見え方が全然変わってきます。一つ一つの彫刻のもつ意味であったり、教会の作りであったり。そこに行き渡るキリスト教全体の考え方や歴史が見えてくれば、ぼんやりとでもつかむことができれば、最終的には、全く違う文脈の中で生きてきた自分(と自分の世界)を見つめ直すきっかけになったり、世界が広がるヒントになるかもしれません。

最後に、アメリカの小説家、ヘンリー・ミラーの言葉を引用させてください。

“人の目的地は、場所とは限らない。 むしろ、新しい物事の見方を探しているのだ” ヘンリー・ミラー(アメリカの小説家)


人はなぜ旅をするのか?

Pokkeを運営していくことは、「人はなぜ旅をするのか?」の問いの答えを見つける旅をすることだと思っています。これから試行錯誤していく中で、その本質的な答えを明らかにしていければと思います。

ぜひ一度、Pokkeを利用して、旅を楽しんでもらえると嬉しいです。そして、フィードバックをもらえると、さらに嬉しいです。

また、Pokkeは音声ガイドツアーを作りたい方や、ガイドさん、声優さん、旅行関係者の方、何か面白いことをしたい方などを、常に募集しています。一度話を聞いてみたい!と思われた方は、ぜひご連絡ください!一緒に、旅をより良くする何かを作り上げましょう。

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