美しき病院を見学しよう!サンパウ病院の観光ポイントをチェック
公開日:2021.11.24 更新日:2023.01.05
バルセロナの歴史ある病院、サンパウ病院について知りたいと考えていませんでしょうか。サンパウ病院は、リュイス・ドメネク・イ・モンタネーの設計で作られた傑作であり、2009年まで実際に病院として機能していたこの素晴らしい空間は、小さな田園都市として考え作られました。
今回の記事では、600年以上にも及ぶ病院の歴史やモデルニスム特有のカラフルなタイル、陶器のデコレーションが美しい建物の観光ポイントを紹介します。ぜひ参考にしてください。
株式会社MEBUKU
Pokke編集部
1.世界遺産でもあるモデルニスモの傑作サンパウ病院の紹介
サンパウ病院は、サグラダ・ファミリア教会からガウディー通りを1キロほど行ったつきあたりに位置します。ユネスコの世界遺産にも登録されているこのモデルニスモの美しい病院は、ガウディーと同時期に活躍したリュイス・ドメネク・イ・モンタネーの作品です。
同じ年に世界遺産に登録されたカタルーニャ音楽堂も彼の作品で、建築学校の教授としても活躍しガウディーは教え子でもあります。正式名称はサンタ・クレウ・イ・サン・パウ病院といい、2009年まで実際に病院として診療が行われていました。
現在、病院としての機能は隣の新しい建物に移転し、昔の病院の部分は「サン・パウ・モデルニスモ区域」と呼ばれています。リュイス・ドメネク・イ・モンタネーのこの病院建築に関する考えはとてもモダンなものでした。
2.バルセロナにあるサンパウ病院の歴史について
サン・パウ病院の起源は、約600年以上前までさかのぼります。1401年にそれまであった6つの病院を統合して作られたのが始まりです。
当時は「サンタ・クレウ病院」と呼ばれ、バルセロナの中心地、現在ラバル地区と呼ばれているところに建てられました。
ゴシック様式のこの病院は、現在ではカタルーニャ図書館として使われています。その後、19世紀の終わりの著しい経済の発達と社会の変化、そして医学の進歩によって、それまでの病院が手狭になってしまいました。
そのため新しい病院の建設が計画され、銀行家のパウ・ジルの遺産が寄贈されたことによって、新病院の建築が1905年に始まります。このとき病院の名前に「サン・パウ」が付け加えられたのは、彼への感謝を込めたからです。
こうして始まったサンパウ病院の建設ですが、中々計画はスムーズには進みません。建築を担当したリュイス・ドメネク・イ・モンタネーが途中で亡くなり、計画は彼の息子が引継ぎました。
とうとう完成したのは、はじめの石を置いてから25年後の1930年のことです。
3.サンパウ病院の見どころ観光ポイント4選
リュイス・ドメネク・イ・モンタネーの「サン・パウ病院」に対する概念は「田園都市」です。つまりバルセロナという都市の中に、独立して、自然と融合した小さな都市を患者のために作りたいと考えていました。
門を入って真正面に見えるのは管理棟と呼ばれている建物です。この管理棟の正面は祭壇の飾りのようなもので、見た目のシンボルというだけではなく精神的シンボルという面も持っているのです。
3-1 観光ポイント①「病院の庭園」
このサン・パウ病院の庭園は美しいだけではなく、機能性も考慮してデザインされています。庭園が整然と配置されて、それぞれの病棟との往来がしやすいように設計されていることが分かります。
自然の満ち溢れた空間を演出する木々や草花は、患者や家族への癒しの役割も持っていました。患者がこの庭を散歩し屋外の空気を吸うことで、落ち着いてゆっくり静養できるようにという願いがこの庭園にはこめられています。医療的視点から見ても、この庭園は必要不可欠な空間でした。
周りの建物を見ると、病棟がそれぞれ離れて独立して建てられていることがわかると思います。これは感染を防ぐためです。このように地上では病棟は離れているものの、地下では先ほど通ってきた通路で接続されているという実に合理的な設計になっていました。
3-2 観光ポイント②「男性用病棟」
他の病棟より小さい最初の建物はサン・ジョルディ病棟で、初めは男性患者の初診病棟、その後救急科、小児科として使われました。外の壁のモザイクを見てみましょう。
向かって左の外壁を飾るのは、サン・マルティン・デ・トゥールズとカタルーニャの守護聖人サン・ジョルディです。
正面には青と白のタイルで花や動物が描かれています。ここは現在企画展示スペースとなっていて、見学可能なので入ることができます。天井や壁がタイル貼りなのは消毒がしやすいようにとの配慮からです。
3-3 観光ポイント③「女性用病棟の使用目的」
手術病棟を背にして正面には、大きな建物があります。3つの部分に分かれていますが、中心部は当時病院で働いていた修道女たちが暮らす修道院として使われていました。
スペインでは以前は修道女たちが、看護婦の仕事を担うことがよくありました。そして左側の見える病棟は、当初、女性用の外科、後に血液検査所がおかれていた聖母モンセラット病棟です。
サン・マヌエル病棟と同じく他の建物より少し大きい、半地下2階建てです。この聖母モンセラット病棟と次の聖母メルセ病棟の間の通路を進むと、病院の柵の向こう側にモデルニスモの建物が見えます。ここは、以前病院の一部であったアスンシオン病棟です。
3-4 観光ポイント④「煌びやかな室内装飾、管理棟」
管理棟へは、中庭に面した北側にある出入り口から入ります。中へ入ると淡いピンク色をベースにした華やかな天井が迎えてくれます。
玄関ホールの真ん中に立ってよく見ると、隅に紋章が描かれた9つのドームで構成された管理棟の天井であり、ところどころに年号が書かれているのが見えます。
1905は建設開始の年で、数字の上の文字はアルファで最初を表しています。そして、1910は建設終了の年で、数字の上には最後を表すオメガが記されています。
中庭を背にして右側に大小2つ階段があります。まず奥の小さな階段から廊下の方へ進むと左手のガラスから優しい光が廊下へ注ぎ込んできます。
「名誉の階段」と呼ばれているもう一つの階段から2階へ上がると、天井の見事なステンドグラスから入る光が、階段を穏やかに照らします。2階にはこのサンパウ病院で最も美しい場所ともいえるドメネク・イ・モンタネー広間があります。
高さ18メートルのこの広々とした空間には、煌びやかなモザイクと凝った作りの天井など、リュイス・ドメネク・イ・モンタネーの独創性、芸術性が最大限に表現されています。
4.サンパウ病院の基本情報
サンパウ病院の営業時間
11月-3月は10:00-16:30
4月-10月は10:00-18:30
通年で日曜、祝日は10:00-14:30
サンパウ病院の休館日
12/25
12/26
1/1
1/6
サンパウ病院の入場料
€8.00
最寄駅
メトロL4号線 Guinardó | Hospital de Sant Pau駅
メトロL5号線 Sant Pau | Dos de Maig駅
地図
5.サンパウ病院の口コミ紹介
サンパウ病院
外から見ただけだけど、中も広くて素敵っぽい
お城みたい pic.twitter.com/vACeatrZaC— アンプ (@amppwt) 2017年6月6日
試合が始まるまで観光を楽しんでます。でも寒い〜❄
サンパウ病院とカサミラ🇪🇸 pic.twitter.com/oau79kYdyx— 亜麻色 (@hitode5zar) 2017年4月27日
6.まとめ
いかがでしたでしょうか。バルセロナにあるサンパウ病院は世界遺産にもなった歴史が深い観光スポットです。スペイン旅行をする際にはぜひ訪れて見てください。
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