原料で分かれるご当地の人気お味噌!味の決め手は食塩と麹歩合
公開日:2021.12.07 更新日:2023.01.05
味噌と一口で言っても実に多彩で様々な製品が作られています。原料の違いから味の違い、色合いによる違いなどを含めれば10種類以上に分類することができます。
そこで基本的な味噌の分類をご紹介し、人気のご当地味噌を味や原料別に選んでみました。
株式会社MEBUKU
Pokke編集部
1.まずは最初に知ってほしい!味噌の分類とは
1-1 味噌の原料による分類
基本的に味噌は大豆と麹に塩を混ぜてつくられる発酵食品。日本で作られる味噌の約8割を占めるのが、大豆と米麹を使用した「米味噌」です。
麦麹を加えると「麦味噌」、麹を一切使わずに大豆と塩だけで作る「豆味噌」、数種類の味噌を混合した「調理味噌」にわけることができます。
1-2 味噌の味による分類
甘いものから順に「甘味噌」「甘口味噌」「辛口味噌」に分類されます。味の決め手は食塩の量と大豆に対する米麹や麦麹の比率である「麹歩合」が大きく関係します。
食塩の量が多いと辛口になりますが、平均的には5〜13%とそれほど大きな差はありません。一方、麹歩合は6割〜22割と幅が広く、麹が多いと甘口になります。
1-3 味噌の色による分類
原料の種類、大豆の調理法、麹の量、発酵途中の作業の違いなどによって、「赤色味噌」「白色味噌」「淡色系味噌」の3種類に分類されます。
2.原料別に見る!人気の味噌の特徴とは
ご当地味噌は、気候による違いから様々な種類が作られていますが、全国的には米味噌が最も多く、豆味噌は東海地方、麦味噌は四国の一部から九州全域という分布を示しています。
2-1 米味噌の特徴
よく名前を耳にする「信州味噌」や「仙台味噌」をはじめ、北は北海道から関西地方まで広く生産されています。
味や色合いもバリエーション豊かで、中辛口の北海道地方、赤色辛口が主流の東北地方、甘口が多い関東地方と関西地方などです。
2-2 麦味噌の特徴
四国の一部で作られる淡色系の甘口味噌として「御膳味噌」「讃岐味噌」があり、九州地方で作られるのは香りと甘みが強い「九州麦味噌」です。
2-3 豆味噌の特徴
名古屋味噌や八丁味噌としておなじみの豆味噌は、東海地方でのみ作られています。八丁味噌に至っては、日本で生産しているのはたった2社のみです。
3.旅行に行くなら食べてみたい!人気のご当地お味噌とは
3-1 米味噌:中辛口で人気の北海道味噌
石狩鍋で代表される北海道味噌。色は薄めで麹歩合はやや高く、塩分控えめ、スッキリとした香りと誰にでも好かれる味が特徴です。
おすすめ銘柄「紅一点 石狩」(岩田醸造:北海道)
道産の大豆、国産米、天日塩と最高の素材を使った、少量生産の手作り高級味噌です。
3-2 米味噌:甘口で人気の関西白味噌
白味噌の代名詞にもなっている関西白味噌。塩分量は5%前後と低く、麹歩合を高くして甘みを出しています。京都の正月の雑煮にはなくてはならない味噌です。
おすすめ銘柄「懐石白味噌」(石野味噌:京都)
麹歩合が非常に高く甘みの強い味ですが、熟成期間を短くして上質な味を出せるように工夫しています。
3-3 豆味噌:八丁味噌でおなじみの東海豆味噌
蒸した大豆を全量豆麹とし、3年以上の長期熟成をして作られます。煮込んでも香りや旨味が逃げないことから、味噌煮込みうどんなど名古屋のご当地グルメに盛んに使われています。
おすすめ銘柄「名古屋八丁みそ」(盛田株式会社)
日本で八丁味噌を製造する2社の一つ盛田の製品です。豆味噌の旨味とコクを活かしつつ、酸味と苦味を抑えまろやかな味わいに仕上がっています。
3-4 麦味噌:甘口で人気の九州麦味噌
甘口の割合が多いですが、九州北部では辛口のものも作られています。麦独特の香りと甘みが特徴で、塩分はやや控えめです。
おすすめ銘柄「フンドーキン無添加麦みそ」(フンドーキン醤油:大分)
やや甘口でまろやか、麦の形がそのまま残っていて麦独特の風味が楽しめる麦味噌です。
最後に
現在日本で味噌を製造している会社は1,000社近くにのぼり、製品数となると膨大です。そんな中から、全国的に行われる「味噌鑑評会」(中央味噌研究所)や様々な口コミを参考にあえて4品目を選んでみました。
「みそは医者いらず」と言われるほど栄養価の高い食品、健康のためにも積極的に味噌を使ってください。そして、どれを選ぶかは、最後は皆さんの舌次第です。
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