ベルニーニの彫刻「四大河の噴水」が彩る華やかなナヴォーナ広場 - イタリア・ローマ
ローマの中心から少し西側に位置する美しいナヴォーナ広場。縦に細長い形状をしている特徴的なこの広場には、バロック彫刻の傑作といわれる、ベルニーニ作の「四大河の噴水」があり、その向かいには曲線が美しい聖アニェーゼ教会がそびえています。
ベルニーニの傑作 擬人化された「四大河の噴水」
ナヴォーナ広場中央にあるのが四大河の噴水です。四大河とは、ドナウ川、ラプラタ川、ナイル川、ガンジス川。それぞれの大河を擬人化した彫刻になっています。
どの彫刻が、どの大河を表現しているか想像できますか?
詳しくはガイドを聞いて頂くとして、ここでは面白い逸話を一つご紹介します。
教会に向かって、手を挙げているのが、南アメリカのラプラタ川です。向かい側にあるのは聖アニューゼ教会。この教会は、ボッロミーニという建築家の設計したものです。このボッロミーニと、四大河の噴水を作ったベルニーニは当時、ライバル関係にあったそうです。
なので、そのボッロミーニの作った教会に向かって、ラプラタ川が手をあげているのは、「教会が倒れてしまうと困る」という皮肉が込められているのだとか。
さらに、ラプラタ川の向こう側にいるのが、ナイル川です。布で顔を覆っています。これも、ボッロミーニへの皮肉で、「見るにたえない教会」だという意味が込められているのだとか。
ここまで書いておいてなんですが、実は教会が建てられたのは、噴水のできた後であることから、この逸話は誰かの作り話だそうです。ただ、才能のある人間同士が嫉妬や羨望、尊敬などを送りあいながら、高めあっていた時代だったのではないかと想像すると、また違ったものが見えてくるかもしれません。
詳しくは、ナヴォーナ広場のガイドを聴こう
ローマ神話や、四大河の擬人化、またそれらを作ることの意図など、ナヴォーナ広場には隠れた物語があります。ぜひ、ガイドを聴きながら、ナヴォーナ広場をお楽しみください。