映画『ハリー・ポッター』のロケ地としても知られるウィンザー城の歴史と見どころ
映画『ハリー・ポッター』のロケ地
東西に広がる美しい王室の居城。
豪華な王宮と美しいゴシック様式の礼拝堂は、長い王室の歴史と共に変化しながら愛され続けています。
また、映画『ハリー・ポッター』のロケ地としても知られ、ファンの方も多く訪れています。
1066年のノルマン・コンクエストの後、1070年代にウィリアム1世がこの地に城を建てたことがウィンザー城の始まりです。
ウィリアム1世は、小山の上に外壁のあるモット・アンド・ベーリー形式の城を、ロンドン塔から半径約30キロメートル離れた円形上に多数建てました。
また、その城と城の間も同じように約30キロメートル離れていました。
30キロメートルは歩兵が一日で歩ける距離と言われていて、ロンドン塔を防御するために建てたことがわかります。
ロンドン塔を取り囲む城の中でも、ロンドンの西側を守るウィンザー城は特に重要な役割をしていました。
それは、当時ロンドンに入るのに重要だったテムズ川に近く、サクソン王が狩をするウィンザーの森に近かったからです。
ウィリアム1世が一番最初に建てた城は、現在のラウンド・タワーのある位置です。
それから東のアッパー・ウォードに外壁を造り、11世紀の終わりに西のローワー・ウォードにも外壁を造りました。
これが現在のウィンザー城の形の基になっています。
当初のウィンザー城は王室の住む城ではありませんでした。
最初にウィンザー城に王室が住むようになったのは、ウィリアム1世の息子のヘンリー1世の時でした。
その後、12世紀にヘンリー2世によって木製の外壁が石造りの塔に替えられ、東西の外壁も石造りにしました。
13世紀の初めにヘンリー3世によって建設された西側ローワー・ウォードの外壁の一部は現在も残っています。
それは現存するこの城の最古のものです。
1350年より、城はエドワード3世によって一部を残して取り壊され、新しいものに再建されました。
その再建工事費は、中世の王が城の再建工事に費やした費用の中でも最高額の、51000ポンドにもなりました。
それはエドワード3世の当時の年収の1.5倍以上の額に相当したそうです。
その後もウィンザー城は歴代の王に愛され、建物が追加、改修されていきました。
ただし、18世紀初頭のジョージ1世とジョージ2世は、ウィンザー城以外の城を好みました。
そして、その後の1760年にジョージ3世が王になると、再びウィンザー城の改修工事が始まりました。
そうして王室に愛され続けたウィンザー城の衝撃的な火事は1992年に起きました。
女王の専用礼拝堂にあったカーテンが、押しつけられたスポットライトにより発火したと言われています。
その火事の被害は東側アッパー・ウォードの100以上の部屋に渡りました。
消火にあたった消防隊員は200人以上で、歴史的な規模の火事となりました。
その修復費要は当時のお金で、実に3650万ポンドかかったそうです。
ウィンザー城内をじっくり見学したら、城のジョージ4世門からまっすぐ南に伸びる並木道のロング・ウォークを散歩してみるのも良いでしょう。
全長なんと4.2キロメートルもあるので、全部は歩けないかもしれませんが、写真で見たことのある素敵な風景の中を自由に歩くことができます。
車両での通過が認められているのは王室関係者のみだそうです。
ここはエリザベス女王が「ロイヤル・アスコット」に行かれる際、ウィンザー城から出発される時に使われる道としても有名です。
ウィンザー城から1分程度のところに、チャールズ皇太子がカミラさんとの結婚式を挙げたことで一躍有名になった市庁舎「ギルドホール」 があります。
結婚式には、皇太子の長男ウィリアム王子をはじめとする王室メンバーやカミラさんの子供ら約30人が参列しました。
このギルドホールでの挙式にご不満であったという女王ご夫妻は不参加でした。
そんなエピソードのある市庁舎ですが、17世紀後半にイギリスの有名な建築家クリストファー・レンが完成した歴史的建築でもあるので、ぜひ見学してみてください。
施設情報
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