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行く前に知っておきたいサンタ・マリア・デッラ・ヴィットリア教会の見どころ

まるで生きているかのような蠱惑的な表情

まるで息をしているかのようなベルニーニの彫刻作品「聖テレーザの法悦」が保管されていることで有名なのが、ローマにあるこのサンタ・マリア・デッラ・ヴィットリア教会です。

サンタ・マリア・デッラ・ヴィットリア教会ってどんな教会?

サンタ・マリア・デッラ・ヴィットリア教会は、ボルゲーゼ枢機卿の命で1608年に初期バロック建築の建築家カルロ・マデルノが建てたものです。

建物の外観は特に特徴もなく規模も小さいのですが、中に入るとその豪華さに驚くことでしょう。

大理石をふんだんに使用した、ローマでも有数の豪奢な教会の一つなのです。

そしてサンタ・マリア・デッラ・ヴィットリア教会が有名なのは、何よりも巨匠ベルニーニの「聖テレーザの法悦」という彫刻があるためです。

この彫刻の前には常にカメラのひとだかりができているほどですので、絶対に見逃してはいけません。

ちなみにサンタ・マリア・デッラ・ヴィットリア教会とは「勝利の聖母マリア教会」という意味です。

1620年にボヘミヤの主導権をめぐり、カトリックのハプスブルグ軍勢力とボヘミヤのプロテスタント貴族との間で勃発した戦闘でカトリック側が圧勝したことを祝い、「勝利の聖母マリア教会」と改名しました。

ベルニーニの大作「聖テレーザの法悦」

サンタ・マリア・デッラ・ヴィットリア教会の中に入ると、

一身廊式の構造に両脇に3つずつチャペルが設けられています。

そして、天井や壁を埋め尽くすきらびやかな装飾の数々。

典型的なローマバロック様式です。

まずは注目したいのは天井です。

迫力のある天井画を真っ白な天使たちが取り囲んでいますが、これは1675年のジョバンニ・ドメニコ・チェッリーニによる「異端に対する聖母マリアの勝利」です。

右側2番目のチャペルの内部正面には、ドメニキーノの絵画「聖母マリアの足元にいて、幼子イエスを崇めるサン・フランチェスコ」や、両脇に「サン・フランチェスコの法悦」と「聖痕を受けるサン・フランチェスコ」があります。ドメニキーノがローマで最後に残した作品です。

そして左の翼廊部、入り口から数えて3つ目のチャペルの次のスペースがこの教会で最も有名な礼拝堂です。

名前は「コルナーロ礼拝堂」。

光を上部の窓から取り入れ、環境と彫刻が一体化したまるで劇場の一場面のようなこの作品こそが、ローマ・バロックの巨匠ジャン・ロレンツォ・ベルニーニの傑作のうちの一つです。

正面に「聖テレーザの法悦」というあまりにも有名な彫刻を見ることができます。

聖テレーザが夢で見たという、空から舞い降りた微笑む天使によって矢で胸をつかれる瞬間が描かれています。

天使と聖テレーザの表情に注目です。

石でできているとは思えないほど細かく表現されていますね。

一部ではこの聖テレーザの表情が性的に恍惚としている表情だとも言われ、物議を醸しました。

素晴らしいのは彫刻の表情だけではありません。

ベルニーニによる舞台演出の巧みさも目をひかれます。

金色の光の雨や、白い雲の表現、彫刻の上にある丸天井からは自然光も差し込むように構成されています。

またその両脇ではコルナーロ家の一族がこの瞬間をまるでオペラハウスのボックス席から観劇するかのように時間と空間を共有している姿が印象的です。

最後に最も豪華で目を引く中央祭壇を見逃さないようにしましょう。

黄金に輝く祭壇にきっと圧倒されるはずです。

まさにバロック建築らしく、きらびやかで当時のカトリック教会の繁栄をうかがわせます。

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