熱海の人気観光地!大正の名邸、起雲閣の見どころや楽しみ方
公開日:2021.12.03 更新日:2022.11.25
熱海というと「温泉」「ビーチ」「花火大会」などのイメージがあると思いますが、温暖な気候、風光明媚な土地柄を好んでこの地に別荘を建てる人も多くいます。
「起雲閣」も富豪によって建てられた別荘が前身ですが、今では熱海屈指の人気観光地になっています。今回は独特な雰囲気を持ち、見どころも多い「起雲閣」をご紹介します。
株式会社MEBUKU
Pokke編集部
1.観光前に知っておきたい!起雲閣の基礎知識
熱海にある起雲閣ってなに??
熱海の起雲閣は「熱海の三大別荘」と言われる建物の1つです。あとの2つは取り壊されたり非公開だったりするので、現在一般の人が見学できるのは起雲閣だけです。
広い庭園を囲むように建っている起雲閣は、その時々の所有者の趣味が反映された和洋中折衷の不思議な雰囲気をもつ建物群です。
起雲閣の歴史を簡単チェック
起雲閣の敷地3000坪の中には幾棟もの建物がありますが、それらは一時期に建てられたものではなく、長い期間に増築や改築を繰り返し、今の姿になっています。
別荘として建てられたのは1919年(大正8年)、それ以来実業家や政治家が所有者になりましたが、彼らの趣味で和風や洋風、中国風がミックスされた室内装飾が出来上がっていきます。
起雲閣は、100年近くの歴史の中では旅館として使われていた時代もありました。名だたる文豪たちも滞在し、ここで数々の文学作品が生み出されました。
起雲閣はロケ地としても使われた!
起雲閣は現在では熱海市の有形文化財に指定され、市によって運営、一般公開されています。NHKの朝ドラ『花子とアン』のロケ地になったためか、2017年の来館者は11万人を突破しました。
豪華で映像写りの良い起雲閣は『花子とアン』だけではなく『警部補 矢部謙三』『山田くんと七人の魔女『上流階級』、古くは『雪夫人絵図』など数々のテレビドラマや映画の舞台にもなっています。
2.これを知ればもっと楽しめる!起雲閣の見どころポイント
起雲閣の見どころ①「薬医門」
起雲閣では、薬医門から玄関にかけての道にゆりの花とあじさいの花が並び、訪れた皆さんの目を楽しませています。企画展の「押し花作品展」も開催中で、入館料のみでご覧いただけます。 pic.twitter.com/qZmhjcj6G3
— 熱海市 (@atamicity) 2015年6月25日
玄関(入口)の近く、道路に面して建っている屋根付きの「薬医門」は武家や公家の屋敷、城郭などにも使われた格式のある門です。
現存数が少なく、大変貴重なものですのでお見落としなく。
起雲閣の見どころ②「麒麟・大鳳」
熱海の起雲閣です。麒麟の間は純和風です。 pic.twitter.com/aE3WcsbtNZ
— 旅するランナー (@tabirun) 2016年7月21日
順路ではじめに見学するのが「麒麟」と名付けられた和室です。壁が群青色に塗られていますが、昔は加賀前田家の藩主だけに使うことが許されていた色だそうです。
2階は「大鳳」と名付けられ、旅館時代には作家の尾崎紅葉や太宰治も滞在していた部屋です。
起雲閣の見どころ③「玉姫」
起雲閣その③
玉姫だったかな。このステンドグラスの天井とかすごくお洒落だった。 pic.twitter.com/Pr5w3xDUrO— えりのみゆ (@xeri23x) 2017年1月21日
「玉姫」は1932年(昭和7年)に完成した洋館で、和洋中の様式が混ざった不思議ながらも洗練された雰囲気を醸し出しています。
サンルームは床のタイルモザイク、天井のステンドグラス、照明や家具の繊細な装飾が華やかです。
暖炉のある部屋は寺社風の格天井、中国やオリエント風の装飾がヨーロッパ風の部屋に渾然一体となって溶け込んでいます。
起雲閣の見どころ④「玉渓」
起雲閣の洋館。日本の神社や寺に見られる建築的特徴や中国的装飾、アールデコが彩る玉姫と中世英国のチューダー様式を用い、床の間的な空間やサンスクリット語の装飾をあしらった玉渓。 pic.twitter.com/ORSdaFUGE2
— kuma (@y_papezou) 2017年10月14日
「玉姫」の隣は「玉渓」と呼ばれる建物です。こちらはイギリスのチューダー様式の山荘風で、木が多用されて重厚感があります。
暖炉の上はテラコッタの仏教画が飾られ、暖炉カバーにはサンスクリット文字が見られます。部屋の装飾にはステンドグラスも使われ、多様な文化が調和をもってミックスされています。
起雲閣の見どころ⑤「金剛」
起雲閣ってところにある金剛って部屋が凄かった! pic.twitter.com/K5RWn1cBUO
— マクサリィ (@maxary) 2015年5月5日
「金剛」は1929年(昭和4年)に建てられた洋館で、「玉渓」と雰囲気が似ています。暖炉の横には中華風模様のステンドグラスが見られます。
見落としがちですが、暖炉の上には螺鈿(らでん)細工でダイヤやハートなどトランプの模様が装飾されています。
起雲閣の見どころ⑥「ローマ風浴室」
帰省中見たもの⑮。熱海・起雲閣その3。
こちらも装飾が素敵なローマ風浴室と、旅館になった時代の旧大浴場。旅館には太宰治、谷崎潤一郎、志賀直哉といった文豪がこの起雲閣に宿泊。 pic.twitter.com/q5hxKtcpH7— ィトゥマサ卜シ (@romitou) 2016年9月30日
「金剛」の隣につくられた「ローマ風浴室」は、「起雲閣」を代表するスポットです。
楕円形の浴槽をもち、ガラス窓から明るい光が入るこの優美なバスルームは幾度もポスターや映画の撮影に使われています。
何度か改装されていますが、蛇口などは建築当時のものです。
起雲閣の見どころ⑦「文豪の部屋」
起雲閣の旅館時代には、三島由紀夫、志賀直哉、太宰治、尾崎紅葉など、日本の文学史に名高い文豪たちが多く滞在しました。
起雲閣の一角には、ゆかりの文人たちについて、写真や資料を分かりやすく展示している部屋があります。
窓辺にはソファが置かれていますので、ここに滞在する文豪になった気分で庭を眺めてみてはいかがでしょうか。
起雲閣の見どころ⑧「庭園」
大正8年に別荘として築かれ非公開の岩崎別荘、今はなき住友別荘とならび、熱海の三大別荘と賞賛された名邸がもととなる起雲閣。昭和22年に旅館となり、日本を代表する文豪たちにも愛されたそうです。庭園は鉄道王の異名をもつ実業家、根津嘉一郎の手により整えられたとのこと。 pic.twitter.com/gwWxGKTnQW
— kuma (@y_papezou) 2017年10月14日
「起雲閣」の庭は池泉回遊式庭園で1000坪もの広さがあります。20人で2か月をかけて運んできた20トンの巨石が庭の真ん中に据えられています。
池を中心に季節の花や草木、大きな石などが配置されている庭は、自由に散策できます。館内見学のあとはゆったりと歩いてみてください。
3.起雲閣のおすすめ休憩スポット、ランチを紹介
喫茶室「やすらぎ」
起雲閣さんのカフェ、やすらぎさんで橙のマーマレードのロシアンティー♡
スパシーバ言いながら頂きます♡ pic.twitter.com/oz3lt6tUQO— 幸せに打ち震えるおませ (@666omase666) 2017年12月17日
起雲閣には喫茶室「やすらぎ」があります。調度品がダークで落ち着いた雰囲気なのは、旅館時代にバーだった場所だからです。
ゆっくりと座ってお茶を楽しめば、起雲閣の雰囲気もより一層ディープに感じられます。起雲閣には有料ガイド(要予約)もあるので、より詳しく知りたい方は利用してみるのも良いでしょう。
また、起雲閣には市民団体に貸し出しているスペースもあり、日によってはコンサートや展示会などが催されています。無料で入場できる場合もあるので覗いてみてはいかがでしょうか。
起雲閣周辺の食事処
昨日は男3人で熱海へ日帰り旅行行ってました。海鮮のランチ食べて、遊覧船乗って、起雲閣っていう有名な文豪が泊まってたらしい屋敷見て、温泉入って、海鮮居酒屋で飲んで、癒された。 pic.twitter.com/VeqVwf68Sr
— さっぷ (@Sup_k_shin) 2015年12月21日
起雲閣は熱海駅と熱海海岸のどちらへも徒歩でアクセスできるので、少し歩けば食事処を探すのはさほど難しくありません。
熱海駅周辺には多くの飲食店があるので、予算や好みに応じて選ぶことができます。商店街での食べ歩きも楽しいものです。
熱海海岸方面に行けば、海を見ながら食事ができるレストランや、熱海の新鮮な魚や野菜を使った料理を提供する洋食店などがあります。
4.起雲閣の営業時間やアクセス方法を紹介
開館時間
9:00から17:00(最終受付16:30)
喫茶室
16:00まで
休館日
水曜(祝日の場合は開館)、12月26日から30日
入場料
大人510円、高校生と中学生300円、小学生以下無料
20名以上の団体は割引あり
見学の所要時間の目安 1~2時間
住所 静岡県熱海市昭和町4-2
時期によってはクーポンサイトに割引券が出る場合があるので「起雲閣 割引」「起雲閣 クーポン」などのキーワードで検索してみてください。
起雲閣へのアクセス方法
徒歩
熱海駅から徒歩で約20分
バス
湯~遊~バスの利用なら「起雲閣西口」バス停で下車、
紅葉台・ひばりヶ丘行きバスなら「天神町」下車
相の原団地・笹良ヶ台循環行きバスなら「起雲閣前」下車
車
熱海海岸自動車道または国道135号などを利用して熱海へ。
近くのランドマークは「熱海市役所」「芸妓見番」など。
駐車場 無料37台
終わりに
このように大正から昭和にかけての資産家の美意識が凝縮された起雲閣は、100年近い時を経てもなお古さを感じさせない、斬新な美しさで私たちを惹きつけてやみません。
熱海に足を運ぶ機会があったら是非起雲閣を訪ねてみてください。
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