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カサ・アマトリェール

隣のガウディ建築より日本人好み?ピンク色の可愛い邸宅

日本人好みのキュートな建物「カサ・アマトリェール」 - スペイン・バルセロナ

カサ・バトリョの隣に立つピンク色の可愛らしい建物、「カサ・アマトリェール」
ガウディの世界遺産建築を見に来て隣の建物が気になった人は多いのではないでしょうか。

カサ・アマトリェールはバルセロナのチョコレート王アントニ・アマトリェール氏の邸宅です。
モデルニスモ建築を代表する一人、プーチ・イ・カダファルクが設計から内装、家具に至るまで手掛けました。
モデルニスモとゴシック様式の融合が特徴で、とくに内部の可愛らしい装飾は必見です。
すぐ右隣に立つカサ・バトリョと比べられることが多く、実はガウディはカサ・アマトリェールを強く意識していたそうです。
長年の修復期間を経て2015年から内部の一般公開が始まりました。

ガウディ建築の隣で存在感を放つキュートな邸宅

グラシア通りの一角に一際目立つ建物が3つ並んでいる区画があります。
左から順に、カサ・リェオ・モレラ、カサ・アマトリェール、カサ・バトリョ、
と奇しくもモデルニスモを代表する3大建築家の代表作が横一列に並んでいるのです。
三者三様に異なる建築デザインを一度に観賞することができる、いわゆる「不協和音の一画」と呼ばれる並びです。

この不協和音の一角の真ん中、階段状の切妻屋根が可愛らしいピンク色の建物がカサ・アマトリェールです。
カサ・アマトリェールは三大モデルニスモ建築家の一人であるジュセップ・プーチ・イ・カダファルクによる作品です。
カサ・アマトリェールのカサとは、家とか屋敷という意味。
つまり、アマトリェールさんの家という意味です。
プーチに依頼したアントニー・アマトリェール氏は、バルセロナのチョコレート王です。
当時のバルセロナは経済成長の真っただ中。
アマトリェール氏のような大富豪が続々と生まれ、
自らの栄華を建物で表現したのが、ここグラシア地区でした。

カサ・アマトリェールは、1898年から1900年の間にプーチによってリフォームされています。
改装は設計から内装、家具に至るまで手掛けたため、リフォーム費用がもとの建物の購入費用を上回ったとか。
カサ・アマトリェールは長い間、修復作業が行われていたのですが、2015年から2階の住居部分も含めて一般公開されています。

カサ・アマトリェールの隣にはガウディの傑作カサ・バトリョがあるため、少々霞んでしまっています。
しかし、カサ・アマトリェールは外壁の装飾から内部に置かれた小物、天井の装飾やステンドグラスまでとにかく可愛らしくてセンスが良いのが特徴です。
多少奇抜すぎるところがあるモデルニスモ建築のなかでも、特に日本人が気に入る建物なのではないでしょうか。

モデルニスモの三大巨匠

ガウディのカサ・バトリョやカサ・ミラ、ガウディの師匠でありライバルでもあったドメネクのカタルーニャ音楽堂、そしてプーチのカサ・アマトリェール。
これらはすべてモデルニスモ建築です。

「モデルニスモ」とは、フランス語で言う「アール・ヌーヴォー」
1900年前後にバルセロナを中心に流行した、新しい芸術運動のことを言います。
曲線の使用や華やかな装飾など、アール・ヌーヴォーと似ていることから、カタルーニャ版アール・ヌーヴォーと呼ばれることもあります。
特に有名なのが、ガウディ、ドメネク、プーチの三大巨匠。
彼らを始め多くの建築家たちがバルセロナの実業家の支援を受けて個性的な建築物を設計しました。

現在ではこれらの建築家の中でガウディが圧倒的な知名度を誇っていますが、実はその当時ガウディはそれほど目立つ存在ではありませんでした。
例えば、ガウディの師匠であり、ライバルでもあったドメネク。

カサ・アマトリェールの左隣りに立つ、カサ・リュオ・モレラを設計した人物です。
彼こそが、名実ともに当時のバルセロナを代表する建築家で、その功績は現在のバルセロナの街にも多く残っています。
代表作であるカタルーニャ音楽堂の豪華絢爛ぶりは100年経った現在でもまったく色褪せません。

ちなみに、ドメネクは晩年に国会議員やバルセロナ建築学校長を務めたりしてバルセロナを代表する建築家として大活躍しています。
貧乏生活の果てに路面電車に引かれて亡くなったガウディとは対照的です。

そして、最後の一人、プーチ・イ・カダファルクという建築家がいます。
彼は他の二人とは違って当時流行しだしたモデルニスモ様式に、それまでの中世ゴシック建築のエッセンスを取り入れることによって新しい作風を作り上げました。
そのため、現代の私達にはガウディの作品のような強いインパクトはありませんが、伝統的なヨーロッパのゴシック様式を現代風にアレンジしたような、馴染み深さを感じるのではないでしょうか。

プーチの代表作カサ・アマトリェールにもその特徴は色濃く反映されています。
それでは、まずは建物外観から見ていきましょう。

日本人好みの外観と穴場のショップ

この建物で最初に目につくのは、階段状に三角屋根のようになっている、オランダ風切妻屋根でしょう。
バルセロナの建物ではまず見かけない、フランダース風の可愛らしいゴシック様式です。

外装でもう一つ注目したいのは至るところに施されている装飾物です。
バルコニーの窓の右横には、カメラを持った男性の装飾があります。

プーチは装飾を多用したのですが、装飾でその家にどんな人が住んでいるのかを表現しました。
この建物の主アマトリュール氏はチョコレート業を営んでいましたが、趣味でカメラを嗜んでいたそうで装飾にも反映されています。

もちろん、家業のチョコレート製造を表す装飾もあります。
カメラを持った男性の装飾のさらに右側、バルコニーの窓枠部分に溶かしたチョコレートを流し込んでいる動物の装飾があります。
バルコニーの装飾には他にも陶器を抱えた2人の天使の装飾がありますが、これも陶器コレクターだったアマトリュール氏の趣味を表現しています。

建物右側の入り口の上階はアマトリュール氏の娘さん、テレサの部屋でした。
よく見てみると、アマトリュール氏のイニシャルであるアルファベットの「A」の字が大量に描かれています。

カサ・アマトリェールは長いこと修復していたので、
一階部分しか見て回ることが出来なかったのですが現在は邸宅として使われていた2階部分が一般公開されるようになりました。
ただ、入場はガイドツアーのみで、カタルーニャ語、スペイン語、英語の3言語。
1時間のフルツアーと30分のエクスプレスツアーがあります。
ただ、一階部分は無料で自由に見学可能です。

一階部分の見どころは吹き抜けになっている天井。
美しいステンドグラスが建物内部に光を取り込んでいます。
また、エントランスのカラフルな丸いガラスや壁にかかっているランプなども思わず写真におさめたくなる可愛らしさです。

特に1階の奥にあるモデルニスモショップはおすすめです。
ここではモデルニスモに関するお土産やグッズが手にはいります。
日本で人気の高いアルフォンス・ミュシャをはじめとしたアール・ヌーヴォーの有名アーティストが手がけたポスターなどが売られています。
それをモチーフにしたチョコなどはおみやげにもってこいでしょう。

カサ・アマトリェールを満喫したら、
すぐとなりのカサ・バトリョとカサ・リュオ・モレラを見学してモデルニスモの三大巨匠の作品を見比べてみてはいかがでしょうか。

もっと知りたい人はカサ・アマトリェールのガイドを聴こう

カサ・アマトリェールの見どころはまだまだ続きます。
気になった方は現地でガイドを聴いてみましょう。

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