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Pokkeインタビュー #003

自分の眼で直接観るべし!企画展の目玉作品の見どころを解説 大倉集古館『大倉コレクション -信仰の美-』特別インタビュー

東京・大倉集古館では、2022年11月1日(火)~2023年1月9日(月・祝)まで企画展「大倉コレクション-信仰の美-」が開催されています。

本展では、日本の仏教美術コレクションに焦点をあてて、収蔵品を中心に信仰の歴史をたどり、そこに託された人々の祈りと美の形を紹介しています。 また、当館を代表する名品、国宝「普賢菩薩騎象像」も併せて公開しております。

Pokkeインタビューでは、大倉集古館の学芸員・四宮美帆子氏に、大倉集古館と今回の企画展の目玉作品についてお聞きしました。

ゲストプロフィール

大倉集古館 学芸員

四宮美帆子氏

関東大震災で燃えずに残った 貴重な仏像と絵画コレクションを展示

── 大倉集古館はどのような美術館なのでしょうか?


大倉集古館は、明治から大正、昭和の初めにかけて実業家の大倉喜八郎がコレクションした美術品の数々を一般に公開している美術館です。

大倉喜八郎は特に仏教美術を好んで収集したため、大倉集古館では仏教彫刻を多く収蔵していました。

仏教美術というと、歴史の授業で小学校から習うような身近なテーマですね。
奈良時代から、廃仏毀釈が起きた明治初年まで、たくさんの仏教に関わるものがつくられています。

実は、当館が所蔵する美術品の5分の4が関東大震災のときに失われています。
日本の彫刻は、主に木製ですから火事で焼けてしまいました。

そのため日本の彫刻は少なめになりますが、仏教絵画は震災時に収蔵庫にあったため運よく火災を逃れており、奇跡的に残った作品が今に至っています。

本展覧会では、いくつかの時代や宗派、流行に合わせてテーマを設け展示しております。

── 今回の展覧会『大倉コレクション -信仰の美-』の目玉を教えてください。

本展では、日本の仏教美術コレクションに焦点をあてて、収蔵品を中心に信仰の歴史をたどり、そこに託された人々の祈りと美の形を紹介しています。

展覧会のチラシやポスターを飾っている、国宝「普賢菩薩騎象像」が1番の目玉です。

現在、東京都には国宝の仏像が2体存在します。
そのうちの1体が大倉集古館にあります。
23区に限ると国宝の仏像が観られるのは、大倉集古館の「普賢菩薩騎象像」のみになります。

もう一つの目玉が、「法蓮上人坐像」です。

ふっくらしたお姿に優美な表現。
象に乗った仏様 国宝「普賢菩薩騎象像」


── 今回の目玉展示の一つである「普賢菩薩騎象像」はいつの時代のものなのでしょうか?

国宝「普賢菩薩騎象像」は12世紀、平安時代に造られたものです。

この時代の仏像は、どこか修繕されていたり、部分が違っていたりすることは少なくないのですが、ほとんどが当時のまま残っています。

── 見どころやポイントなどおしえてください。

頬もふっくらしていて、体も丸みを帯びていて、近くで見ると大変やさしく、優美な姿をしています。

細かい部分に目を向けると、耳の穴の表現など、本当にリアルな造形で一つ一つが丁寧に彫られています。

背中や肩、おしりの上あたりをご覧いただくと、部分的にですが、金を細かく切って装飾する截金(キリカネ)という美しい模様を見ることができます。

また、今はだいぶ変色してしまっていますが、当初は象や仏様の顔は白色でした。

当時の美しさを想像しながら観るのも面白いかと思います。

水晶でつくられたリアルな目玉
法蓮がその眼でみたものは?

── もう一つの目玉作品である「法蓮上人坐像」について教えてください。

こちらは、法蓮というお坊さんの彫刻です。 仏様ではない俗人(一般の人)の彫刻は、お坊さんが椅子に座っていたりして大人しい彫刻が多いですが、これは動きのある作品です。

── どういうシーンを表現したものなのでしょうか?

この方は、平安時代の頃に、現在の福岡の方にいらっしゃった山岳修験僧、つまり山の中に籠って修行するお坊さんでした。

山の中の洞窟で篭って修業しているときに、洞窟の中から水が噴き出してきて倶利伽羅龍(クリカラリュウ)が現れ、宝珠、つまり宝の玉を吐き出したところをキャッチしようとする場面です。

── 目玉がとてもリアルに見えます。

ご覧の通り、法蓮さんは、クリクリの大きな目を見開いています。
この仏像は「玉眼」と言って、中に水晶でつくった目の玉を入れています。

そういった部分でも昔の人がどういう想いで、この劇的な場面を彫ったのかと想像して観ていただけると面白いかと思います。

── 今回、「法蓮上人坐像」はガラスケース越しではなく、直接鑑賞できると聞きました。ケースの有無で鑑賞体験は変わるものでしょうか?

「ケースに入っていても外に出しても、あまり変わらないのでは?」と思われるかもしれません。

しかし、実際の作品は様々な素材や彩色が使われており、光の加減でその見え方が変わってきます。
ケースで遮断するとガラスの影響を受けて、直接観るものとは違い、臨場感が薄れていくことになります。

やはり美術品は、目の前にして観ないと分からないことがたくさんあると思います。

ぜひ、この実物を観てもらいたいです。

リアルにこの法蓮さんと目の前で対話をしていただいて、深い体験から何かを掴んでいただければと思っております。

他にも実在感抜群の仏教美術、
彫刻や仏画の数々を多数展示

企画展「大倉コレクション-信仰の美-」は、2023年1月9日(月・祝)まで開催されています。 今回ご紹介した2つの作品以外にも、多数の仏教美術や彫刻、仏画を展示しています。 ぜひ実際に足を運び、直接鑑賞してみてはいかがでしょうか?

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会  期 :2022年11月1日(火)~2023年1月9日(月・祝)
開館時間 :10:00~17:00(入館は16:30まで)
休 館 日 :毎週月曜日(祝日の場合は翌火曜日)、年末年始(12/29~1/1)※1/2~1/9は休まず開館します。
入 館 料 一般:1,000円
大学生・高校生:800円 ※学生証をご提示ください。
中学生以下  :無料 
URL https://www.shukokan.org/
※各種割引料金は、「利用案内」をご覧ください。 ======================================

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