ローマでは数少ないルネッサンス建築のヴェネツィア宮殿の見どころ
ルネッサンス様式の宮殿
15世紀、ローマ教皇の住まいとなっていた宮殿です。ローマ市内では数少ないルネッサンス様式の建築物で、内部にはルネッサンス美術を数多く揃えた博物館があります。
もともと建っていた「ビシャの塔」を内蔵する形で、枢機卿の館が完成します。
それは1900年代初めにヴェネツィア広場建設のために一度解体され、アスタッリ通り沿いに不完全な形で移動されました。
内部には青々とした庭園が広がっています。
後にピエトロ・バルボはパウルス2世として教皇に選出された後、ヴェネツィア広場に面した正面右側を増築し、サンマルコ教会の正面を新たに建設しています。
その時代に、2階中央テラスの内部の「マッパモンドの間」もつくられました。
ローマにおける数少ないルネッサンス建築の代表的なものです。
広場に面した正面2階の窓枠をご覧ください。大理石で十字型になっています。
こういうのをグエルファ十字、すなわち教皇十字の窓と言います。
正面全体を見ていただくと、左右対称でなく、中央入り口より左側の窓と窓の感覚が右よりも狭いのは、増築や修復が繰り返された歴史を物語っています。
宮殿は、その後もパウルス2世の甥の枢機卿などによって何度か増築され、幾人かの教皇の住居として使われたり、ヴェネツィア共和国の教皇領における大使館として用いられたりしました。
1797年にはフランスが占領し、1814年にはオーストリアの所有となります。
1916年より、もう一度イタリアの手中に収まりますが、1929年から1943年までは、ムッソリーニが「マッパモンドの間」を執務室とし、その他の部屋もファシスト政権の議事室として利用しました。
中央二階のテラスを演説台として用いたムッソリーニの姿は、当時の写真などにも残されています。
現在内部は博物館として使われており、初期ルネッサンス絵画や、木彫り彫刻、ルネッサンス期の収納箱を兼ねた木の長椅子、タペストリー、装飾の施された陶器、銀器、銀細工、武器、鎧などが展示されています。
施設情報
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