世界最大級のステンドグラスを誇るサント・シャペルの見どころを紹介!
世界最大級のステンドグラスはゴシック建築の極み
サント・シャペルがあるのは、パリ始まりの地と言われるシテ島。
シテ島には、ノートルダム大聖堂やパリ市庁舎などがあり、パリ観光のメッカとして知られた場所にあります。
サント・シャペルのような教会は、後にも先にもありません。
上下2階層に分かれた礼拝堂、ほぼ全面がステンドグラスで構成され薄く高い壁に対して驚くほどシンプルな外装、そしてなによりステンドグラスの光で埋め尽くされた空間設計はゴシック建築の究極の形と評価されています。
ゴシック建築といえばすぐ近くにあるノートルダム大聖堂のようにフライング・バットレスと呼ばれる大きなカーブを描いた梁(はり)が建物から飛び出ているような姿が特徴。
光に満ちた空間を実現する巨大なステンドグラスと高さのある壁を支えるフライング・バットレスは、ゴシック建築の美学の表れとも言われるものです。
ところが、サント・シャペルには建物から飛び出るつっかえ棒は見当たりません。
柱と柱の間がステンドグラスで出来ているという、驚異的な構造を支えるのは金属パーツです。
当時の偉業ともいえる技術によってできた金属製の支えは注意して見ないとほとんどわからないようになっていて、礼拝堂のスマートな外観を保っています。
物語を時系列で読むには、祭壇に向かって左の壁から順に進んでいきましょう。
礼拝堂内のステンドグラスは一番端、北西の窓に描かれた創世記の物語からスタートします。
そこから祭壇の奥・中心のステンドグラスにあるキリストの受難の物語を挟んで右手へ進み南西の列王記まで、旧約聖書の場面が描かれています。
そして祭壇に向かって右手側、入り口に最も近いステンドグラスが一連の物語のラストです。
ここにはルイ9世が譲り受けた聖遺物が、どのようにしてフランス王国までやってきたかが物語として描かれています。
非常に壮大なスケールのステンドグラスですが、設計者の名前は知られていません。
この時代の職人はまだ芸術家とはみなされておらず、名前が知られていないのは残念ながらよくあることなのです。
サント・シャペルのステンドグラスは礼拝堂の建設開始からわずか5年の間に完成しています。
述べ面積600平方メートル以上の一連のステンドグラスを一体どんな工法でどんな工房が製作したのか、全ては不明のままです。
複数の工房によるプロジェクトであったという見方もあれば、ひとつの大きな工房によって出来上がったとする意見もあり、見解はさまざま。
有力な説は、ステンドグラスを構成するパネルのパターンから見て、パリにあった同じ工房によるものなのではないか、というものです。
ステンドグラスを時代順に左手から見ていくと、物語と物語の間に12使徒の像があることに気づくことでしょう。
創世記のステンドグラスの脇に聖ヨハネが置かれ12人すべての像が後に並びます。
それぞれの像はギリシャ十字と呼ばれる十字架を手に、柱を支えるかのよう。
実際に抽象表現として、12人の使徒が教会の柱・中心を表し、礼拝堂を支える柱の部分に象徴的に置かれています。
12使徒の像を彩る煌びやかな金と鮮やかな色は、19世紀の復元作業によって当時のものを忠実に再現したとされています。
しかし、すべての像が同じ時期に作られたかについては議論があり、使徒像のうち半数は後年作られた、とも言われています。
施設情報
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