処刑場や幽霊、そしてカラスの伝説!世界遺産『ロンドン塔』の見どころ紹介
カラスの伝説と幽霊の噂の世界遺産
アングロサクソンを威嚇する要塞から始まり、王宮、牢獄、王家の財宝保管所、動物園、造幣局などとしての役割を担ってきたロンドン塔。
その1000年近い歴史と見どころに迫ります。
ロンドン塔の城壁内に入ると、大きなカラスが飼育されているのが見えると思います。
これは世界最大級と言われる「渡りガラス」で、英語名は「レイヴン」です。
日本では嫌われるカラスですが、いったいなぜ飼育されているのだと思いますか?
実は、かつてロンドン塔に渡りガラスが多数住みつき、駆除しようとしたそうです。
しかし、ある占い師が「カラスがいなくなるとロンドン塔が崩れる。ロンドン塔が崩れると英国が滅びる。」と予言したのです。
それ以来、渡りガラス6羽と予備の1羽を飼育するようになったとのことです。
そして、カラスが飛んでロンドン塔から出てしまわないように、風切羽(かざきりばね)を切っています。
また、渡りガラスを飼っている理由は、イギリス人に人気のあるアーサー王伝説にあるとも言われています。
アーサー王が魔法で渡りガラスに姿を変えられてしまったというのです。
渡りガラスを殺す事は、アーサー王への反逆行為とも言われ、古くから不吉な事が起こるとされているそうです。
いずれにしろ、ロンドン塔にとっても、イギリスにとってもこの渡りガラスはとても大切な存在なのです。
ロンドン塔とは監獄として機能していた歴史があります。
その監獄時代に、ロンドン塔に収監された囚人たちは、その身分によっていくつかの処刑場に分けられました。
貴族や王族などの身分の高い囚人に対しては、暗殺以外には名誉ある斬首刑が用いられていたそうです。
ギロチンが発明される以前は斧が使われていました。
斬首刑は、セント・ピーター礼拝堂前の「タワー・グリーン」と呼ばれる広場で行われていました。
タワー・グリーンは、ヘンリー8世の2番目の妻アン・ブーリンが1536年に処刑された場所として有名です。
アン・ブーリンは男の子を産むことができませんでした。
男子の後継者が欲しかったヘンリー8世により、反逆と姦淫(かんいん)の罪をきせられ、冤罪で処刑されたそうです。
ロンドン塔には、今でも無念の思いで最期を遂げたアン・ブーリンの幽霊が出ると噂されています。
タワー・グリーンの目の前にある山小屋風の建物はクイーンズ・ハウスと呼ばれ、ヘンリー8世がアン・ブーリンのために建てた宮殿です。
皮肉にも、処刑される前の日々を、彼女はこのクイーンズ・ハウスに幽閉されて過ごしたそうです。
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