バルセロナのシンボル・コロンブスの塔の不思議
コロンブスの指の先には?
コロンブス。
新大陸を発見した彼の名前を知らない人はいないでしょう。
バルセロナの地には彼の偉業を讃えたモニュメントが建っています。
ランブラス通りを下り、海まであと少しというところにある小さな広場。
広場の中心で天高くそびえ立つコロンブスの塔はバルセロナを代表するモニュメントの一つです。
しかし、このコロンブスの塔、よくよく考えてみると不思議なことだらけです。
塔の周りに施された葉っぱのような装飾は、どう見ても大麻です。
コロンブスと麻薬に何か関係が?
それに、そもそも彼はイタリア人のはずです。
なぜバルセロナに記念碑が建っているのでしょう。
そして、コロンブスの彫像はいったい何を指さしているのでしょうか。
世界的な有名人でありながら実は謎の多いコロンブスの生涯。
出身地もその一つ。
一般的にコロンブスはイタリアのジェノバ出身だと言われています。
ですが、ここバルセロナでは多くの人がコロンブスがカタルーニャ人だと信じているのです。
バルセロナの地で語られているコロンブスの出生に関する逸話も多く残されています。
いくつかお話ししましょう。
コロンブスは子供の頃、ゴシック地区のカテドラルにほど近いボテース通りに住んでいました。
しかし、ある日サン・ジョセップ市場で居酒屋を営んでいた父親が罪を犯し、絞首刑にかけられ亡くなってしまったのです。
死刑になった男の息子となってしまったコロンブス。
彼はその素性を隠すためにバルセロナからジェノバへと移り住む決心をしたのでした。
コロンブス・カタルーニャ人説には別のバージョンも存在します。
コロンブスは、本当はサンタ・マリア・ダル・マル教会のあるリベラ地区の高貴な家柄の出身でミライェス通りの9番地に住んでいました。
しかしなぜか、彼の出生は歪曲されイタリア出身となって後世に伝わったのだ、という逸話。
実はスペインではバルセロナ以外にもガリシア地方や、マヨルカ島など、コロンブスの出身地といわれているところがいくつもあるのです。
コロンブスがバルセロナ出身かどうかは定かではありませんが、彼とバルセロナはちゃんと関係があります。
コロンブスが初めての航海を行えたのは、スペインのイサベル女王の資金援助によるものだからです。
この塔は航海から帰ってきたコロンブスが、当時バルセロナにいたイサベル女王に新大陸発見の報告にやってきたことを記念したものなのです。
コロンブスの塔は一見シンプルな塔に見えますが、
近くに来ると様々なデザインで飾られた塔だということがわかります。
それもそのはず、塔の装飾だけで20人ほどの建築家や彫刻家が関わっていました。
4つある階段の両側にはライオンの像があり、よく見てみると一体ごとに異なるのがわかります。
階段を登った先にある8つの彫刻画にはコロンブスの生涯が描かれています。
他にも様々な装飾が施されており、観光客を飽きさせない作りになっているのですが、一つ気になるものがあります。
塔の真ん中あたり、バルセロナ、コロンと書かれた赤い円形の飾りがあります。
その上に植物の葉のような飾りがあるのですが、これはどう見ても大麻の葉っぱですね。
実は、大麻の葉がこのように堂々と描かれているのには真面目な理由があるのです。
コロンブスは航海に大麻を持っていきましたが、それは嗜好品としてたしなむためではなく、船旅に必要なものであったからでした。
当時、船のロープは大麻で作られ、船内は大麻の油を使ったランプで照らされていました。
また船の倉庫には大麻の種が食料と目的地での栽培のために蓄えられていました。
つまりコロンブスの時代、大麻は航海のためには必要不可欠な物だったのです。
そのため航海のシンボルとしてこの塔の中心に飾られているのです。
コロンブスの彫像は、海の彼方一点を指差していますが、さて彼は一体どこを指差しているのでしょう?
「もちろんアメリカ大陸でしょう」と思われた方、実は方向が全く違います。
コロンブスが発見したアメリカ大陸は正反対の方向なので、海ではなくランブラス通りの方を指差さなくてはいけません。
それではどこを指差しているのでしょか?
実は真相は定かではありません。
コロンブスが航海に旅立ったアンダルシアのパロス・デ・ラ・フロンテーラではないかという説もありますが、方向が違います。
生まれ故郷と言われているジェノバだと言う人もいますが、これも方向が違います。
もしかしたら漠然と海を指差しているのかもしれません。
ちなみに指さしている先には出身地説の一つ、マヨルカ島があります。
バルセロナのコロンブスの指差す方向については、スペインでもよく話題に取り上げられていますが、真相は謎のままです。
施設情報
シェアしよう
共有
https://jp.pokke.in/story/8652