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6代にわたり城主が女性!?世界遺産シュノンソー城の歴史や内部の見どころを紹介

美術館と呼ぶにふさわしい数々の美術コレクションを所蔵している古城

文化活動や交流が盛んに行われてきたシュノンソー城。

まさに美術館と呼ぶにふさわしい偉大な画家たちの絵画コレクションやフランドル地方のタペストリーを所蔵しています。

約400年間6代にわたり城主がすべて女性であったため、「6人の奥方たちの城」とも呼ばれています。

城内には彼女たちの複雑な心移りが読み取れる、美しく哀しいエピソードが残っています。

6人の奥方・女性城主はどんな人物だったのか?

この城の主だった「6人の奥方」について簡単に紹介します。

第一の奥方、
財務官ボイエの妻カトリーヌ、彼女はこのお城を造るのに大きな貢献をしました。

1521年城が完成した後、夫の遠征に随行し、ミラノで亡くなりました。

第二の奥方は、
アンリ2世の愛人、ディアーヌ・ド・ポワチエ、1547年に城主になっています。

第三の奥方、
カトリーヌ・ド・メディシス、夫アンリ2世が亡くなると愛人のカトリーヌを城から追い出し、橋の上に3階建ての建物を増設し、現在のお城の姿になりしました。

第四の奥方、
ルイーズ・ド・ロレーヌ、ヴァロワ王朝最後の国王アンリ3世の王妃です。

1589年にアンリ3世が暗殺された後、この城に引きこもり、王家の色である城の喪服を着て、ひそやかな余生を送りました。

ルイーズ・ド・ロレーヌの後、このお城は相続人の手から手へと受け継がれた末、資産家であるクロード・デュパン夫人が手に入れました、この夫人が第五の奥方です。

この時代、このお城でサロンなども開かれ、「モンテスキュー」や「ヴォルテール」なんかもよく訪れたそうです。

第六の奥方は、
1864年にこのお城を買い取ったプルーズ夫人、昔の絵などを基に、ディアンヌとカトリーヌの時代の城の様式に復元することに没頭したそうです。

続いて、シュノンソー城の内部の見どころをいくつかご紹介します。

1.回廊「ギャラリー」

見どころの1つはギャラリーと呼ばれる回廊です。

もともとは華やかな舞踊会場でした。

この回廊の広さは、全長60m 幅6mの縦長です。

18もの窓から明るい日差しが差し込み、床は白と黒のおしゃれな木組み風のデザイン、石灰岩とスレートが敷き詰められています。

天井は横梁が剥き出しになっています。

カトリーヌ・ド・メディシスは、1576年ディアーヌ・ド・ポワティエの橋の上に、このギャラリーを建設させ、1577年に完成。

息子である後のアンリ3世へ敬意を込めて宴を開催しました。

ギャラリーの両端に2つの美しいルネッサンス様式の暖炉が据えられていますが、シェール川へ続く南側の扉を囲む暖炉は機能しておりません。

ここは、第一次世界大戦時には病室として利用され、第二次世界大戦時には、シェール川はドイツの占領地区の境となり、この回廊の南側の扉は左岸の非占領地区に通じていた御蔭で、フランスのレジスタンスは大勢の人々をここから逃すことができました。

2.フランソワ1世の居室

暖炉のまわりの装飾「マントルピース」はルネッサンス様式の傑作の一つであり、トマ・ボイエの金言が次のように刻まれています。

「城が完成したならば、私の名は歴史に残る。」

この金言は、ドアの上の彼の紋章にも刻まれています。

この部屋の家具には、15世紀フランスの食器棚が3つと、16世紀イタリア製のキャビネットがあり、このキャビネットは、フランソワ2世とメアリー女王への結婚祝いで贈られたもので、真珠海の嵌め込み細工や象牙の羽ペンが施された見事な丁度品です。

壁には、フォンテーヌブロー派のル・プリマティスの「狩の女神ディアナ姿をしたディアーヌ・ド・ポワティエ」の画絵が飾られています。

この絵は、1566年、この城で完成、額縁はエタンプ公爵夫人であったディアーヌ・ド・ポワティエの紋章が彫られており、又、メディチ家の紋章(薬丸が6つ)も見れます。

3.ルイ14世のサロン

ルイ14世が1650年7月14日にシュノンソーを訪れた記念として、叔父ヴァンドーム公爵に、次のコレクションを贈り物としました。

リゴーによる自画像、オービュッソン織りのタペストリーに覆われた家具、そして高名な家具師ブールの小テーブルです。

リゴーの自画像の見事な額縁は、大きな4つの木片のみで組まれており、ルポートルの作品です。

ルネッサンス様式の暖炉の上には、火をはくトカゲ 「サラマンダー」と、ストート「オコジョ」が刻まれ、フランソワ1世とクロード王妃を表しています。

この火トカゲは、他のお城でも見かけます。

天井と剥き出しの横梁を囲まれているところに、ボイエ家のイニシャルT、B、Kの文字が刻まれています。

小テーブルの上には、1889年、ナポレオンの兄のスペイン王ジョゼフ・ボナパルトから購入したルーベンスの「幼子イエスとバプテスマのヨハネ」が飾られています。

この他、居間には18世紀フランス絵画、次の素晴らしい作品が見られます。

ファン・ロー「ルイ14世の肖像」

ナティエ「ロアン公爵夫人」

ネッチェル「ルイ14世大臣 シャミラールの肖像」と「男の肖像」

ラン ルイ14世の孫「スペイン王フェリペ5世の肖像」

ミニャール作のルイ14世の銀行家サミュエル・ベルナールの大きな肖像画も見ることができます。

施設情報

施設名 シュノンソー城
エリア フランス > パリ近郊
住所 Château de Chenonceau, Chenonceaux, France
営業時間 9:00-17:00
(季節により異なる)
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