大航海時代の記念碑「発見のモニュメント」の見どころ
ポルトガル・リスボンの大航海時代の33人の偉人の記念碑
リスボンのベレン地区の、テージョ川に面して建っているこの記念碑は、発見のモニュメントといいます。
ポルトガル語では、「パドラオン・ドス・デスコブリメントス」。
帆船のような形を模しているこの巨大なオブジェクトの高さは52mもあります。
新しい建物のような印象を受けますが、実は1960年に建てられたもの。
エンリケ航海王子の没後500年を記念してつくられたそうです。
「大航海時代」とは、15世紀から17世紀にかけて、ヨーロッパ人たちが、海を渡って世界に乗り出していった時代のことを指します。
夢と冒険、略奪、そして危険を冒してまで海に出る、大アドベンチャーが始まりを告げました。
15世紀、地球がまだ丸いと信じられていなかった頃の話です。
では、なぜヨーロッパ人は、危険を顧みず、進んで海へ出ていったのでしょうか?
まずは、中国で発明された「羅針盤」がイタリアで改良されたことが挙げられます。
羅針盤があれば、大海原もどっちへ進めばよいか頼ることが出来ました。
そして、天文学や海図の技術の発達などが、冒険者たちの勇気の後押しをしたのでしょう。
それにしても、いったいヨーロッパ人達は、何を求めて海へと乗り出していったのでしょうか?
なんと、彼らが探し求めていたものは、実は「スパイス」だったのです。
オールスパイスの中でも、特に「胡椒」は、当時大変貴重なものでした。
胡椒は、防腐剤の役割りを果たすだけでなく、肉の保存にも効果的だったそうです。
そういうわけで、胡椒は、たくさんのお金をもたらすものとして、人々が長年探し続けていたものだったのです。
ちなみにヴァスコ・ダ・ガマが持ち帰った「胡椒」の値は、渡航費用の70倍もの金額だったそうです。
人物像は、西側と東側両方で33体あります。
それでは、そのなかでもよく知られている有名な人物を抜粋してご紹介してみたいと思います。
先頭には、エンリケ航海王子がいます。
両手で帆船を抱えた姿であらわされています。
エンリケ航海王子は、船酔いがひどかったらしく、実際に航海には出ていませんが、パトロンとして航海者たちを援助し、大航海時代の幕開けに一役かった人物です。
エンリケ航海王子のすぐ後ろでしゃがみ込んでいるのが、弟のフェルナンド聖王子。
そのあとに、騎士、航海士、数学者や天文学者などが続き・・・・エンリケ航海王子を入れて数えて9番目の人物、旗を掲げている人です。
この人の名前は、ペロ・ダ・ゴビリャンといい、15世紀の冒険家で、陸路でインドに到達した人です。
少しかがんで、右手を左胸のところへ当てている大航海時代の王、アフォンソ5世の隣には、インド航路発見者のヴァスコ・ダ・ガマがいます。
さらに、初めて世界1周を成し遂げたマゼランや、日本へ1549年にキリスト教を伝道した宣教師フランシスコ・ザビエルの像もあります。
大航海時代に、ポルトガルに莫大なる富をもたらす偉業の数々を残した人物たち。
航海者をはじめとして、騎士や歴史家、宣教師などたくさんの方が大航海時代を担っていたのだとわかります。
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