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スフォルツェスコ城

ミケランジェロのピエタを見るならここが穴場!

ミラノのスフォルツェスコ城に眠るミケランジェロ最期のピエタ

ピエタ。

十字架に掛けられて亡くなったキリストとその亡骸を抱きかかえて深い嘆きに沈む聖母マリアを描いた作品のことをそう呼びます。ルネサンスの巨匠ミケランジェロはピエタの制作をライフワークとし、その生涯で4つのピエタを手がけました。

ミラノに残る中世の城塞「スフォルツェスコ城」には、
ミケランジェロが息を引き取る3日前まで彫り続けていた最期の作品「ロンダニーニのピエタ」が眠っています。

高さ109メートル!スフォルツェスコ城の正門フィラレーテの塔

ルネッサンス様式の代表的建築であるスフォルツェスコ城。
1466年に建造された高さ109メートルのフィラレーテの塔はスフォルツェスコ城の正門であり、ミラノのシンボルです。

ドゥオーモの広場から北西へのびる通りをまっすぐ5~6分歩いた突き当りにカステッロ広場があります。
広場につくとイタリア統一を推進した軍事家ジュゼッペ・ガリバルディの騎馬像が堂々とそびえています。

しかし、何と言っても最初に目にとまるのは空高く伸びるシンメトリーの塔、高さ109メートルのフィラレーテの塔です。まるで中世のイタリアにそのまま迷い込んでしまったかのようです。

15世紀中頃にフランチェスコ・スフォルツェスコ公爵が以前のミラノの支配者ヴィスコンティ家の居城を改築して城塞としました。スフォルツェスコ家は中世の時代にミラノを首都とするミラノ公国の事実上の君主です。

フィラレーテの塔の建造は1450年に始まり、1466年に完成しています。
あのレオナルド・ダ・ヴィンチも関わっているようです。

塔の装飾は比較的新しいもので時計は約100年前に追加されたものです。
中央に白い石像がついていますが、こちらはミラノの守護聖人である聖アンブロージョ。
彼は4世紀にミラノの司教だった人物です。
下の馬に乗った人物はイタリア王国2番目の王ウンベルト1世です。

それでは、門をくぐり中に入ってみましょう。

中世の戦いを想起させるスフォルツェスコ城内部

門をくぐると巨大な城壁に囲まれた広い中庭が広がっています。
ミケランジェロのピエタが眠る博物館は正門をまっすぐ進んだところ、フィラレーテの塔の反対側にあります。

ですが、この中庭にも見どころはあります。

フィラレーテの塔の左右、塀の両側には同じ形の塔が控えています。
この塔を造っていた頃、ちょうどフィレンツェからやってきたレオナルド・ダ・ヴィンチがスクリュー式ポンプで堀の水を汲み上げ塔を水道塔にするプランを設計したのだそうです。
しかし当時のテクノロジーでは追いつかず、完成には至らなかったとか。

中庭の端の方には、手すりで区切られた一角があります。
こちらには、石の玉がまとまっていくつも置かれています。

これは実は昔、大砲の砲弾として使用されていたものです。
この内堀にはかつて水が貼ってあり、敵が塀を乗り越えてきても簡単には内側には入れないようになっていました。今でこそ観光名所となっていますが、至るところに戦争の時代の空気が残されているのです。

ちなみに塔や壁には紋章が描かれていますが、これは城塞の最初の持ち主ヴィスコンティ家の紋章です。
「敵を飲み込む竜と楯」をあしらったものです。

この紋章、実はイタリアのいたるところで目にすることができます。
というのも、この紋章の左右を入れ替えるとイタリアの自動車メーカー、アルファロメオ社のエンブレムになるのです。

さて、それでは鉄格子の重々しい入り口から入場し、博物館へと参りましょう。

ロンダニーニのピエタ〜ミケランジェロ最期の作品

スフォルツェスコ城の内部にはミラノ市立の博物館が併設されています。
写真撮影が許可されている上、比較的人が少ないのでおすすめの博物館です。

400年ぶりに発見されたダ・ヴィンチの天井がをはじめ、多くの見ごたえある作品が展示されていますが、この博物館の目玉は何と言ってもミケランジェロのロンダニーニのピエタでしょう。

ミケランジェロ最期の作品「未完のピエタ」として有名なロンダニーニのピエタは、展示の一番最後に私達を出迎えてくれます。

冒頭でも述べましたが、ピエタとは十字架に掛けられて亡くなったイエス・キリストと、その亡骸を抱きかかえて嘆き悲しむ聖母マリアを描いた作品のことでミケランジェロのライフワークのようなものです。

ミケランジェロは生涯4つのピエタを制作していますが、最も有名なものはサン・ピエトロ大聖堂のピエタです。しかし、厳重に防弾ガラスで守られているサン・ピエトロ大聖堂のピエタとは違い、このピエタは直接見ることができる上に360度、どの角度からも眺めることができるのです。

作者ミケランジェロ・ブオナローティはフィレンツェ共和国の生まれ。
ロレンツォ・デ・メディチに才能を見こまれ、メディチ家に引き取られて彫刻を学びました。

彼はダ・ヴィンチと同時代に生きた彫刻を得意とした芸術家ですが、ダ・ヴィンチより20歳ほど若く、ダ・ヴィンチに対して強いライバル心を抱いていたといいます。若いときに喧嘩をして鼻が折れてしまい、それがコンプレックスとなって偏屈な性格になったとも。
メディチ家の庇護を失った後、ローマに移ってサン・ピエトロ大聖堂のピエタを制作しました。

この「ロンダニーニのピエタ」はミケランジェロ最後の作品です。彼は視力を失いながらも倒れる直前まで制作にとりくみ、当時としては異例の89歳で亡くなりました。つまり、このピエタは未完のままというわけです。

このピエタはスフォルツェスコ博物館に収蔵されるまで、ローマのロンダニーニ邸にあったため、「ロンダニーニのピエタ」と呼ばれています。

「ピエタ」とは、イタリア後で「悲しみ」という意味です。

深い慈愛の表情が伺えるサン・ピエトロ大聖堂のピエタとは異なり、ロンダニーニのピエタはどことなく寂しさを感じさせます。完成していたら、一体どのような表情を浮かべていたのでしょうか。

もっと知りたい人はスフォルツェスコ城のガイドを聴こう

スフォルツェスコ城の見どころはまだまだ続きます。
気になった方は現地でガイドを聴いてみましょう。

□博物館の入場料・営業時間
入場料:5ユーロ
営業時間:9:00-19:00(冬季-18:00)
定休日:年中無休
所要時間:1~2時間
所在地:Piazza Castello Sforzesco 3, 20121 Milano
アクセス:メトロ1号線Cardona駅から徒歩3分 メトロ2号線Cadorna FN駅から徒歩5分

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