都市からガイドを探す▼

ウフィツィ美術館

ボッティチェリにラファエロ、ダヴィンチ

超有名作品を見逃すな!ウフィツィ美術館の見どころ解説 - フィレンツェ


400を超えるイタリアの国立美術館の中でも入館者数3位を誇るウフィツィ美術館。
ボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」や「春」、レオナルド・ダヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロなどの三大巨匠の作品が展示されたルネサンスの栄光の歴史を物語る重要な美術館になっています。

ウフィツィという名前は元はトスカーナ大公国の事務所だった事から、イタリア語で「オフィス」を表す「ウフィツィ」が由来です。

ウフィツィはヨーロッパで最初の博物館でもあります。
博識で知られた二代目のトスカーナ大公フランチェスコ一世はウフィツィの最上階の廊下に絵画や古代彫刻、武具など自慢のコレクションを飾り始め、要望があれば見学可能という形で一般公開を始めました。ヨーロッパ最初の公共の博物館と言われています。

ここでは、多くの名画が集まるウフィツィ美術館のなかでも特に見逃してはならない作品に絞ってご紹介していきましょう。

ジョット作「荘厳の聖母」

まずは中世の画家ジョットの作品から。
「荘厳の聖母」はルネッサンスが始まる転換点となった作品です

第一展示室の入り口をくぐるとすぐ真正面に見える巨大な祭壇画です。
1310年頃にジョット・ディ・ボンドーネが描いたもので絵画史の転換点を示す作品です。
ジョットはこの作品で絵画史上最大の革命の先駆者となり、その表現法から「ルネサンス絵画の父」と呼ばれています。

ルネッサンスと一口に言っても、それは突然開花したわけではありません。
ルネッサンス以前のゴシック美術のなかで少しずつ変化の兆しが生まれていました。
13世紀以前の抽象的、象徴的表現からより自然な表現が好まれるようになっていったのです。
そのきっかけがジョットの「荘厳の聖母」だとされています。

祭壇画は玉座に座った聖母を描いています。
聖母の表情や着ている服に注目してください。
聖母の自然な微笑、着衣のふくらみなどにそれまでのゴシック美術とは一線を画したルネッサンス美術の始まりが見て取れます。
衣服や玉座の奥行き感によって聖母がより人間的に感じられるのではないでしょうか。
これは当時としては前例のない画期的な描き方なのです。

中世の画家が初めて遠近法を用いたのですから。

「荘厳の聖母」はフィレンツェのオニサンティ教会のために描かれた祭壇画でした
ジョットの作品については作者を特定するための資料が少ない場合が多いのですが、この作品に関しては珍しくジョットが作者だと明確に言及している資料が残っている貴重な作品です。

リッピ作「聖母子と二人の天使」

「聖母子と二人の天使」は、破天荒に生きた天才フィリッポ・リッピの代表作です。

作品を鑑賞してみると、遠近法を活かした奥行のある構図であることがまず分かります。
聖母の顔の輪郭、髪、そしてヴェールの表現もとても繊細で、まさにリッピの魅力の詰まった、彼の集大成というべき作品です。
ここに描かれているのは宗教的なシンボルとしての聖母ではなく、生身の人間としての優しい母親だといえます。

フィリッポ・リッピは、1406年頃フィレンツェの下町の肉屋に生まれました。
両親を早くに失い、カルメル会修道院に入れられ修道士となりました。
ロレンツォ・モナコに習ったとされていますが、その頃カルミネ聖堂プランカッチ礼拝堂で壁画の制作に当たっていたマサッチオの作品からも強い影響を受けているようです。

画家としての才能にあふれたリッピでしたが、大きな問題がありました。
彼は生涯独身を守るべき修道士の立場でありながら、女性との浮き名が絶えなかったのです。
気になった女性を射止めるためならば、自分の全財産を贈ることも厭いません。
もちろん、その間は依頼されている絵画の制作など手につきません。

これに頭を抱えたい雇い主のメディチ家当主コジモ・ディ・メディチは、とうとうリッピを自宅に閉じ込めて仕事だけに専念させようとしたことがありました。しかし、その2日後にはベッドのシーツを切って作った自前の縄ハシゴで窓から脱走し、女性のもとへひた走ったと言われています。

そしてついには、尼僧ルクレツィア・ブーティをかどわかすというスキャンダルで告発されてしまいます。
ですが、コジモ・デ・メディチの必死のとりなしで二人は教皇から還俗を許され、正式の夫婦となりました。

ここで再び、聖母子と二人の天使を眺めてみましょう。
実はここに描かれた聖母はルクレツィアで、幼子イエスは二人の息子フィリッピーノ・リッピがモデルとされたという説があります。
実際に聖母の前髪を抜いて額を広く見せるスタイルや青緑色のドレスなどは、当時の流行を反映したものであり、やはり聖母というよりも、現実にいる貴婦人を描いたようにみえます。うっすらと描かれている光輪がなければ、愛情に満ちた家族を描いた肖像画のようです。

ボッティチェリ作「ヴィーナスの誕生」と「春」

言わずと知れた名画中の名画、ボッティチェリの2作品を忘れてはいけません。

サンドロ・ボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」は、世界一有名な絵画の1つと言えるでしょう。
1485年に制作されたこの作品は、愛と美の女神ヴィーナスの誕生を描いています。
海の泡から成人した姿で誕生した愛と美の女神ヴィーナス。
季節の女神ホーラに迎えられ、恥じらいのしぐさを見せながら貝殻の上に立っています。
西風の神ゼフュロスは、妻である花の女神フローラとともに空を駆け、薔薇を辺り一面にまき散らして祝福しています。

ギリシアの詩人へシオドスによれば、ヴィーナスは海の抱から生まれ、帆立貝にのってゼフュロスの優しい風を受けてキュプロス島のパフオスに上陸したといいます。ボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」は、古代ギリシアの画家アベレスが描いた伝説的な名画、海からあがり濡れた髪をしぼるヴィーナスの絵を念頭に置いています。

「ヴィーナスの誕生」は、まさにルネサンスを告げる作品と言えます。
古代ローマやギリシアの時代には裸のヴィーナスの彫刻や絵画が描かれることは珍しくありませんでしたが、教会の力が増した中世以降、裸体の女性を絵画の主題にすることはタブーとされていました。
つまり、この絵は暗黒の中世の終わり、ルネサンスの幕開けを告げる象徴的な作品なのです。

ウフィツィ美術館にはボッティチェリのもう一つの傑作「春」も公開されています。
こちらはヴィーナスの誕生の3年前、1482年に制作されています。
愛と美の女神ヴィーナスを中心に、左にヘルメス・三美神、右に春の女神プリマヴェーラ・花の女神フローラ・西風ゼフェロスが位置しています。この作品のテーマは、「ヴィーナスの王国」と推測されていますが、その解釈については諸説あり、15世紀に描かれた絵画の中で実はもっとも難解な作品なのです。

ダヴィンチ作「受胎告知」

1472年頃に描かれた「受胎告知」は、レオナルド・ダ・ヴィンチの最も初期の代表作です。
す。

タイトルにもなっている「受胎告知」というのは、中世からゴシック期にかけて多く描かれてきた宗教的なテーマの一つです。
聖母マリアのもとに天使ガブリエルが訪れ、神の子であるイエスを受胎、つまり身ごもったことを告げるシーンです。

ご覧のとおり、左側で跪いているのが天使ガブリエル。
右側にいるのが、聖母マリアです。

まず左側にいる天使ガブリエルから見てみましょう。
印象的なのは右手の形。
このピースのような形は聖母マリアへの祝福を示すポーズだそうです。

顔と右手の間にある花は白百合です。
白百合は純潔の象徴であり、このダ・ヴィンチによる受胎告知だけではなく、聖母マリアが絵が描かれる多くの作品に登場します。

右側の聖母マリアの服装は、純潔や信仰を表現する青色のローブに、愛情を表現する赤い色の服をまとっています。
右手では本のようなものを押さえているように見えます。
これは聖書です。
そして、左手は天使ガブリエルに向かって開かれており、驚きを示すポーズを取っています。

受胎告知を受けたとき聖母マリアは始めに驚き、次第にその運命を受けて入れていったとされています。
ですのでこれはまさに告知をされた瞬間を描いた絵です。

最後に、一つだけ先ほどの白百合についての小話を。
白百合は聖母マリアとともに描かれることが多いことはお話しした通りですが、その際純潔を表現するためにも男性を象徴する雄しべを描くことは基本的にタブーとされています。しかし、このダ・ヴィンチによる受胎告知には、よくよく見ると雄しべが描かれているのです。これは一体なぜなのか。一説によると、ダ・ヴィンチは教会への反抗を示したかったのではないかと言われています。聖母マリアは、純潔のまま、聖なる力で身ごもったのではなく、普通の人間として子どもを授かったのだと、暗に言いたかったのかもしれません。

もっと知りたい人はウフィツィ美術館のガイドを聴こう

ウフィツィ美術館の見どころはまだまだ続きます。
気になった方は現地でガイドを聴いてみましょう。

□ウフィツィ美術館の入場料・営業時間
入場料:2時間~
営業時間:8ユーロ
定休日:月曜
所要時間:30分
所在地:Piazzaledegli Uffizi, 50122 Firenze
アクセス:SMN(Firenze Santa Maria Novella)駅から徒歩15分

ウフィツィ美術館の物語をPokkeで聴いてみる

インストールは無料です

フィレンツェの他のオススメスポットも見てみよう

ガイドを都市で探してみる

ガイドを国で探してみる

国の一覧を見る

Pokkeは、最高な旅に必須のアプリです。

様々な観光スポットを音声で案内してくれる音声ガイドツアーアプリ。 その場所の見どころポイントだけではなく、歴史や文化、秘密、エピソードなども聴くことができます。 Pokkeで音声ガイドを聴きながら旅をすれば、ただ見て回るだけでは分からなかった世界が見えてきます。 あなたもPokkeと一緒に出かけてみませんか?

© 2018 MEBUKU Inc.