フィレンツェの街のアルノ川にかかるヴェッキオ橋の歴史と見どころ
第二次世界大戦で唯一破壊されなかった橋
フィレンツェに豊かな水を運び、産業発展をもたらしたアルノ川にかかる最も古い橋が、ヴェッキオ橋です。
オペラの巨匠プッチーニの名曲など、様々なドラマチックなシーンに登場することでも有名です。
ヴェッキオ橋の左右に並ぶ貴金属店はフィレンツェが誇る貴金属職人の伝統や歴史を伝えるものです。
かつてのヴェッキオ橋の上は、宝飾店が並ぶ前は肉屋などが左右に軒を連ねていました。
1565年に大公が通勤する為にヴァザーリの回廊が建設された後、大公が橋周辺の肉屋の匂いを嫌い、橋のイメージを改善するという事で、肉屋のお店と宝飾店のお店が入れ替わることになります。
橋の真ん中には16世紀を代表する貴金属職人であり彫刻家だったベンヴェヌート・チェッリーニの胸像があります。
このブロンズ製の彫刻は1901年にラファエロ・ロマネッリが芸術家の生誕400年を記念して制作しました。
このチェッリーニの彫刻の周りを囲む柵に南京錠がいくつかかけられているのを目にするかもしれません。
これは20年ほど前からイタリアの若者たちの間で広まった言い伝えによるもので、南京錠に恋人2人の名前を書いて柵にかけ鍵をアルノ川に投げるとずっと結ばれるといった内容のものです。
ロマンチックなお話しですが、実際にはフィレンツェ市の規約により柵に南京錠を付けることは厳しく禁止されており、違反した者にはとても高い罰金が課せられていますから、真似をしないようにして下さい。
第二次世界対戦の被害をほとんど受けていない様に見えるフィレンツェでも、1944年8月にヴェッキオ橋以外の橋は全てフィレンツェを占領していたドイツ軍の爆破によって破壊されました。
ヴェッキオ橋だけが爆破されなかった理由には、戦時中フィレンツェに滞在していたドイツ大使ゲラルド・ ヴォルフがフィレンツェの街を愛していて、歴史あるヴェッキオ橋だけは爆破しないで欲しいと嘆願したのが聞き入れられた為だとも言われています。
施設情報
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