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Pokkeと巡る旅 #05

美術鑑賞本10冊を読んでわかった、絵画の見方ランキング
【Part.1】美術鑑賞するまえに知っておきたいポイント13選



「美術鑑賞本10冊を読んでわかった、絵画の見方ランキング」では、美術鑑賞の本10冊の重複するポイントをまとめ、美術鑑賞する前、西洋美術、日本美術、現代美術の4つのパートにわけてご紹介します。記事を通して、絵画を見る時、どのようなポイントに注目したら良いのか、どのように行うとわかりやすいのかをご紹介します。

美術鑑賞本10冊を読んでわかった、絵画の見方ランキング

1. 美術鑑賞本のポイントをまとめてみた

皆さんは「美術鑑賞ってどうやるの?」と疑問に思ったことはありませんか?

わからないから美術鑑賞の本を読んでも、解説内容に主観的なことが多い気がする……。

今回の特集は「美術鑑賞をいかにして行えばいいか」を指南する本に書かれたポイントをまとめてみました。

美術鑑賞の本に重複しているポイント13選をランキングでご紹介。
多くの方が納得できる実践ポイントのまとめになりました。

美術鑑賞の機会があれば、ぜひ試してみてください。

2. 美術鑑賞する前に知っておきたいこと

西洋美術や日本美術を鑑賞する前に、まずは美術鑑賞をする前に知っておきたいポイントを13選をランキング形式でご紹介します。


1位「第一印象を大事にする」4票
1位「作品を「読んで」みる」4票
3位「ディスクリプション(作品説明)してみる」3票
3位「作品の題材に目を向ける」3票
3位「作品の細部に目を向ける」3票
3位「人と意見交換してみる」3票
7位「五感で作品を感じる」2票
7位「実物を見ることを大事にする」2票
7位「作品が描かれた時代の革新的な部分、その影響を知る」2票
7位「顧客を特定し、なぜ購入したのか知る」2票
7位「その国が当時どのような政治が行われていたのか知る」2票
7位「企画展について知る」2票
7位「常設展について知る」2票


1位 第一印象を大事にする

多くの本では、まず対象の美術作品に対して「第一印象」という自分の気持ちに着目しています。

美術作品にどのような評価がついていたとしても、まずは「好き」「美しい」という自分の感覚が大事だということです。

どうしても自分の美的感覚に不安を覚える方は、次のように考えるといかがでしょうか。


「好きな味が人それぞれなのと同じように、美術の好みも人それぞれです。自分の「味覚」と世評が合わないことを気にする必要は全くありません。」

                出典:藤田令伊『芸術がわからなくても美術館がすごく楽しくなる本』,2015年,秀和システム,p.68

味に例えられると非常にわかりやすいですね。
自分にとって好きな味、嫌いな味は誰にも否定することができません。

同様に、好きな絵、敬遠したい絵も人それぞれであり、否定されるようなものではないと考えれば、美術を楽しむことができます。


1位 作品を「読んで」みる

レオナルド・ダ・ヴィンチや、東洲斎写楽など、謎の深い絵を描くアーティストがいます。

作品の中に気になる箇所が出てきたら、自分の中の疑問を解くために動いてみましょう。

もしかしたら美術館のキャプションで解説されているかもしれません。
画集で解説されているかもしれません。
自分なりに読み解いてみるのもいいでしょう。

もう一つの「読み」は題材や歴史的背景に着目することです。

後述で解説しますが、美術鑑賞は見るだけではなく、読む行為も必要になると理解しましょう。


3位「ディスクリプション(作品説明)してみる」3票

作品を見たあと、それがどんな作品だったのか言語化することはできますか?

花や布などモノを構成した静物画や、人物画だと説明しやすいですが、風景画や現代美術のよくわからない作品だと何があったか名前を出すのも一苦労です。

さらに、色や光の印象、どこに何があったかなど、事細かく説明しないと、他の作品との区別がつきません。

作品を言語化できるようになると、美術鑑賞に対する苦手意識がかなり薄れ、作品と作品の違いが自分の中で明確になります。

また、以下の本ではユニークな方法として、スケッチしてみることを勧めています。


「まず全体的な構図をとらえ、おおまかな形状を写してから、色や目立った特徴などを言葉で記入していきます。美術鑑賞は視覚からの情報がメインなので、まずはこのようにビジュアル・イメージを扱うことに慣れていきましょう」

                出典:小倉康之監修『ビジネスエリートのための!リベラルアーツ西洋美術』,2020年,すばる舎,p.226

鑑賞の経験を何かしらアウトプットすることが大事なのかもしれません。 相手に作品の魅力を存分に伝えることもできますね。


3位「作品の題材に目を向ける」3票

鑑賞する作品の題材は重要です。

アーティストが作品制作で典拠する行動にも手間がかかり、意図があります。

もしその題材がすぐわかるものであれば、スマートフォンで即調べてみましょう。
もし、ネット上でもわからなければ、図書館などを利用して本を調べてみましょう。

すると、作品を鑑賞するだけではわからない作品の奥深さを知ることができます。

また、展覧会に訪れると、題材が同じだったり、似通っていても、全く別の表現をしている絵画があります。

アーティストの題材に対する解釈の違いも味わうと面白いです。


3位「作品の細部に目を向ける」3票

美術鑑賞をする際、作品を何となく見ていませんか。

作品はアーティストが画面の全ての決定権を握っています。そのため細部にも注意を払って見るといろいろなことがわかるのです。

また、ジュゼッペ・アルチンボルドの絵画のように、一見すると普通の人が実は野菜で構成されているなど、細部を見て理解できる絵画もあります。


「画面に何が描かれているのか、漏れなく、丁寧に見ていくことが最初のステップです」

                出典:堀越啓『論理的美術鑑賞』,2020年,翔泳社,p.54

作品の細部を見れていないのは、美術鑑賞でもったいないことだと言えます。


3位「人と意見交換してみる」3票

作品説明にも通じますが、人と意見交換してみると、作品鑑賞の幅が広がります。

注意点は自分の感覚を貶さず、相手の感覚も貶さないことです。自分の意見に自信を持ちながらも、相手の意見に耳を傾けてみてください。

相手が自分の気づかなかった箇所を話し、自分が納得できれば、さらに理解が深まるでしょう。

意見交換にはこうしたメリットがたくさんあります。


7位「五感で作品を感じる」2票

作品を鑑賞している時には五感を使いましょう。

作品で食事が行われている場合、どのような味がするでしょうか。

どのような匂いがしますか?
料理は冷たいでしょうか、暖かいでしょうか。
周りからはどのような音が聞こえてくるでしょうか。
こうして五感を使って作品を見てみると、印象がさらに強まり、自分なりの解釈を深められます。

他の人も同じように感じるか、話してみると面白いですね。


7位「実物を見ることを大事にする」2票

画集やテレビ番組でしか美術作品を見たことがない方には、ぜひ美術館などを訪れることをお勧めします。


「美術品には実物に宿る聖性があるのを私は感じます。どれほど精巧な複製ができても、唯一であるというその実物の持つ魅力は複製では再現できないでしょう。」

                出典:樋口裕一『この一冊で芸術通になる 大人の教養力』,2017年,青春出版社,p.127

好きな作品を目指して見に行ってもよいですが、遠方など難しければ近くの美術館でも問題ないでしょう。

美術作品を実際に目にすると、魅力に取り憑かれること間違いなしです。


7位「作品が描かれた時代の革新的な部分、その影響を知る」2票

絵画が描かれた時代の革新的な技術を調べてみましょう。

今のスマートフォンやネットワーク技術を鑑みると、当時の技術の革新は確実にアーティストや時代の美術様式に影響を及ぼしています。

例えば印象派はどうでしょうか。

技術が発展した結果、写真が登場し、写実的に絵を描く意味が問われた結果、モネやセザンヌなどの印象派が生まれました。

特に個々の作品だけではなく、美術様式といった大きな枠組みで考えると、よりわかりやすいです。


7位「顧客を特定し、なぜ購入したのか知る」2票

現代でも実業家や有名人がアート作品を購入しますが、アーティストにとって顧客は必要不可欠な存在です。

主な顧客がいるからこそ、アーティストは生計を立てられ、新しい作品を産むことが可能になります。


「顧客(アートコレクター)がいなければ、素晴らしいアーティストは世に輩出されません」

                出典:堀越啓『論理的美術鑑賞』,2020年,翔泳社,p.117

また、顧客がどのような目的でアーティストの作品を購入したのかも重要です。
顧客の目的次第で作品も変わってしまいます。

記録、信仰目的、権威の主張……あなたが好きな作品はどういった目的で制作されたのでしょうか?


7位「その国が当時どのような政治が行われていたのか知る」2票

作品が制作された当時の国と政治状況も重要です。

新たな政策が行われたり、新しい権威者が現れたことで、アーティストも影響を受け、新しい美術が生まれることもしばしばありました。



「イタリア・ルネサンスの時代には、王侯貴族や聖職者だけでなく、ギルドや実業家が競い合うようにして芸術家を支援しました。そうした擬似共和制の社会がイタリア・ルネサンスの発展の原動力であったと言うことができます。」

                出典:小倉康之監修『ビジネスエリートのための!リベラルアーツ西洋美術』,2020年,すばる舎,p.115

当時、国は戦争をしていたでしょうか、どの国と戦っていたのでしょうか。
どのような政治家がいて、どのような政策をとっていたでしょうか。

政治の状況を知っておくと、美術や作品が生まれる要因を探ることができます。


7位「企画展について知る」2票

美術館の展示には企画展と常設展があります。

企画展は会期が短く、作家や美術の一つの歴史に焦点を当てられたものが多いです。

そして、企画展は学芸員やキュレーターが構成し、本のように章立てされています。


「「章ごとのテーマ」を上手に理解することで、アーティストを多面的に捉える助けになります。」

                出典:堀越啓『論理的美術鑑賞』,2020年,翔泳社,p.206

章ごとに必ず解説文がありますので、よく読んでみましょう。

企画展で他美術館から貸し出された作品には、見る機会の少ない作品も多々あります。

ぜひ作家や歴史について詳しくなり、実物の雰囲気を吸収していって欲しいです。


7位「常設展について知る」2票

常設展は美術館が所蔵している作品のみで行われる展示です。

収蔵庫を持たない美術館ではできない展示で、会期が長く、作品を中心にした展示となります。

作品を解説したキャプションを中心に読んでみましょう。


「美術館によっては丁寧なキャプション(絵のそばに掲示してある説明書きのこと)がついていることもあります」

                出典:青い日記帳『いちばんやさしい美術鑑賞』,2018年,ちくま新書,p16

キャプションには、作品の年月日や作品の説明が記載されています。 上記の引用のように、さらに深い情報が載っている場合も。

まずは読んでみて、理解を深めてみましょう。

3. 意外と主観的ではなく、客観的なものも多い

絵画の見方が少しでも身近になったでしょうか。

どれも実践するのにハードルの低いものばかりです。
意外と主観的ではなく、客観的なものも多いですね。
ぜひこれらのことを踏まえて、美術鑑賞をしてみてください。

次回は西洋美術編に入ります。

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