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世阿弥と能について知ろう

【PART.5】世阿弥と能の理解を深める本7選



世阿弥と能について知ろう」シリーズでは、能という舞台芸術の創始者である世阿弥に焦点を当て、世阿弥の著作の中から現代でも生かせる言葉や、世阿弥の生涯、能の歴史、能の鑑賞、世阿弥と能に関する本についてご紹介します。

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この記事では、世阿弥と能に関する本7選をご紹介します。 それぞれ、世阿弥の著作の解説本や、世阿弥の生涯をモチーフにした小説、能をテーマにした小説がわかります。

1. 世阿弥と能についての本を紹介

ここれまで、世阿弥の現代に生かせる言葉から、世阿弥の生涯や能の歴史について触れてきました。

ですが、世阿弥に対してまだ興味が持てない方もいらっしゃるかもしれません。

最後の章にあたるこの記事では、世阿弥と能についての本をご紹介します。

世阿弥は『風姿花伝』や『花鏡』などの著作も有名ですが、その波瀾万丈な人生は、小説の題材にもなっています。 また、能の演目にはたくさんの物語が存在するため、小説の原案にもなっています。

世阿弥と能を題材にした本を読むことで、さらなる興味を持って頂けることでしょう。

2. 本の紹介

2-1. 世阿弥の著作の解説本


●土屋惠一郎『NHK「100分de名著」ブックス 世阿弥 風姿花伝』

 

出典: Amazon

土屋 惠一郎

NHK「100分de名著」ブックス 世阿弥 風姿花伝

NHKの番組が元になった、能や舞踊に造詣の深い著者による『風姿花伝』の解説本。 現代、特にビジネスやマーケットに生かす目的で書かれています。

章ごとに風姿花伝に出てくる言葉、例えば「秘すれば花」「初心忘るべからず」が解説されており、わかりやすくなっています。 世阿弥の『風姿花伝』をより理解するための一冊です。



●髙田明『髙田明と読む世阿弥』

 

出典: Amazon

髙田 明

髙田明と読む世阿弥

髙田氏もまた、ビジネスの側面から世阿弥を解説しています。

髙田氏は世阿弥の言葉を、自身のセールスに生かした経験があるため、世阿弥の言葉から具体的なことが伺えます。

特に面白いのはテレビショッピングで生かせる「離見の見」の解説で、髙田氏の裏の努力とともに理解度が増すでしょう。

多くの人がテレビショッピングで見たことのある髙田氏の姿を通して、世阿弥の言葉がわかりやすくなっています。

2-2. 世阿弥をモチーフにした物語


●杉本苑子『華の碑文 世阿弥元清』

 

出典: Amazon

杉本 苑子

華の碑文―世阿弥元清

世阿弥の弟である「観世元仲」の視点から描かれた世阿弥の小説です。

観世元仲は、観世元雅らと地位を争った音阿弥の父。 世阿弥の恵まれた容姿端麗さと才能、観阿弥から引き継いだ能の完成がわかります。

一方で、誰もが読んで苦しかったと感想を書くような、当時流行った稚児などの闇の部分も。 作者が何年も研究した室町時代の背景が詳細に書かれています。

古い作品なので、現在では史実と言えない部分もあり、フィクションとして読むことが推奨されますが、それでも色褪せない名作です。



●瀬戸内寂聴『秘花』

 

出典: Amazon

瀬戸内 寂聴

秘花

波瀾万丈な人生を送ったことで知られる、瀬戸内寂聴による世阿弥の小説。 世阿弥が佐渡に流されたことをきっかけに、回想が始まります。

足利義満に寵愛を受けたことや、愛児・元雅との別れ、音阿弥との仲違いなどが世阿弥の視点で描かれるさまは、時に哀愁が湧き、時に官能的。

「秘すれば花」「男時女時」などの世阿弥の著作の言葉も、瀬戸内寂聴流の哲学で描かれており、解釈のひとつになる物語です。



●藤沢周『世阿弥最後の花』

 

出典: Amazon

藤沢周

世阿弥最後の花

世阿弥が佐渡へ流されたことをテーマにした小説です。

『世阿弥最後の花』では、佐渡へ流された出来事が、世阿弥にとって「最後の花」を咲かせる結果になった、と捉えて書かれました。 そのため、佐渡で能を舞ったことや、新作能を作った出来事などが丹念に描写されています。

また、島の人々との暮らしや人間関係も描かれ、世阿弥という人物像が浮き彫りされており、より親しみを感じやすいでしょう。

能を自ら学び、研究を重ねて世阿弥の心に迫った作者によって、世阿弥の佐渡の出来事が昇華された小説です。

2-3. 能の演目をモチーフにした物語


●中山可穂『悲歌(エレジー)』

 

出典: Amazon

中山 可穂

悲歌

能の演目の物語を現代風にアレンジした短編集です。 大枠は原作そのままに、哀愁に満ちた人間関係が描かれています。

「隅田川」では、心中をした少女とその父親の物語。
「定家」は、小説家の主人公が行方を追った、変死した作家の真実が描かれます。
「蝉丸」は、主人公と、師匠の忘形見の姉弟との、三角関係が。

恋愛小説が得意な作者の濃密な世界観が味わえます。



●中山可穂『弱法師(よろぼし)』

 

出典: Amazon

中山可穂

弱法師

『弱法師』もまた、能の演目を現代風にアレンジした短編集です。

「弱法師」では、病弱な少年と、主治医であり義父である男との物語。
「卒塔婆小町」では、100本の作品を書いたら結婚するという、作家と編集者の関係が、編集者の視点から回想されます。
「浮舟」では、二人に愛され板挟みになった女の様子が、娘の語り口で描かれています。

どれも短編ながら、濃い内容で、能のテーマに違わず悲しい物語となっています。

3. 本を読んで、世阿弥と能への理解を深めよう

世阿弥と能を扱った本を紹介しました。 解説本は、とりわけ現代に世阿弥の言葉を生かそうと考える方におすすめです。

世阿弥をモチーフにした小説は、幽玄や優雅がキーワードとなり、世阿弥の生涯を作者なりに捉えた物語となっています。

能の演目を扱った小説は、能のテーマと同じように、物悲しい雰囲気が大事にされています。

これらの本は、世阿弥と能に興味の持てるよう、自信を持っておすすめできるものだけを厳選しました。

ぜひご覧頂き、世阿弥と能への理解を深めて頂けたらと思います。

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